2022年3月、日本医療機能評価機構は「医療事故情報収集等事業」の第68回報告書を公表しました。
今回、「患者間違いに関連した事例」、「新型コロナウイルス感染症に関連した事例」が分析テーマとして取り上げられております。
「患者間違いに関連した事例」では、診察室・検査室等に患者を呼び込む際のポイントを以下のように示しています。
・待合室にいる患者の氏名を呼び、患者が返事をするだけでは患者の照合はできていない。聞き
間違いにより別の患者が返事をする可能性があることを認識する必要がある。
・患者が名乗った氏名と医療者側の手元の情報の患者氏名を照らし合わせることが必要である。
・多くの医療機関では、外来診察室や検査室において、患者は診察券や予約確認票などを受付に
出した後に氏名を呼ばれて入室する。この時、患者は自分の氏名を示すものを持っていないた
め、口頭で氏名を確認することになる。外来患者に氏名・IDを記載したカードを首にかけても
らったり、診察券を携帯してもらったりして、書面を見て照合ができるような仕組みの構築が
望まれる。
・患者が自分で入室する際だけでなく、病棟から患者を搬送する際にも患者間違いが発生してい
る。診察室・検査室等では、医療者が患者を連れてきた際にも、正しい患者であるか照合する
必要がある。など
「新型コロナウイルス感染症に関連した事例」では、新型コロナウイルス感染症の患者(疑い含む)の治療中に発生した事例や、当該患者は感染していないが新型コロナウイルス感染症への対応を目的としたルール・手順の導入や変更により発生した事例、ルール・手順の導入や変更に関連しない事例、新型コロナワクチンに関連した事例の詳細が掲載されています。
詳細は下記URLをご覧ください。
https://www.med-safe.jp/pdf/report_68.pdf
(公益財団法人日本医療機能評価機構医療事故防止事業部)