京都府保険医協会とは/理事長挨拶

 京都府保険医協会は、京都府内で保険診療を担当している保険医が自主的に加入し、活動している団体です。
 「保険医」とは、国民の皆さんが、国民健康保険や共済保険、全国健康保険協会など、様々な医療保険証をもって受診するときに、その医療を担当することのできる医師のことを指します。日本は「国民皆保険制度」と呼ばれる医療保障制度を施行しており、医師のほとんどは、この「保険医」の資格を持って保険診療にあたっています。 

 京都府保険医協会は戦後の混乱期の昭和24(1949)年6月14日に設立されました。様々な困難の中、「保険で国民の健康を守る良い医療を」と「保険医の医療・医業と生活を守る」を二大スローガンに歩みを始めました。そして70年、令和元年の今日、ここまで来れましたのは、ひとえに諸先輩会員の先生方、歴代役員の先生方をはじめ、共済関係各社や専門家の先生方、地域行政のご担当者、その他幾多の方々のご尽力と温かいご支援があったからでした。改めて感謝の意を表します。

 協会のスローガンの達成は必ずしも平坦な道ではなく、むしろ政府・厚生労働省・財務省、そして今日では経済財政諮問会議などから繰り出される医療制度改悪との闘いの歴史となりました。不合理な診療報酬や医療を規制する法制度に対しては率先して異を唱え、改善を目指して意見表明や運動を行ってまいりました。今日その一つの集約点とすべく、医療・介護・子育てなどの社会保障を充実させてこそ国民生活の全般が改善され、日本経済を底上げするとの考えから、それを法的に保障する「社会保障基本法」の制定を目指した議論醸成を期しているところです。

 平和な環境の中で医療や介護、子育て支援などが充実し、行き渡って多くの国民が少しでものびのび・生き生きと暮らせる世の中、その中で医療機関も役割を存分に発揮される社会の実現に少しでも近づけたらどんなに素晴らしいことかという夢を抱きつつ、現実とのギャップに悩みつつ、目前の日常の諸課題に取り組んでまいる所存です。この様な京都府保険医協会へ、皆様方からの温かいご指導・ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

2019年7月 京都府保険医協会 理事長 鈴木 卓(すずき・たかし)

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