日本医療機能評価機構が「医療事故情報収集等事業」第67回報告書を公表

2021年12月27日、日本医療機能評価機構は「医療事故情報収集等事業」の第67回報告書を公表しました。
今回、「外来化学療法室で行う抗がん剤治療に関連した事例(調製・投与)」、「医療関連機器圧迫創傷(MDRPU)に関連した事例」が分析テーマとして取り上げられております。

「外来化学療法室で行う抗がん剤治療に関連した事例(調製・投与)」では、報告の多かった「血管外漏出」と「急性過敏反応の出現」の事例について、以下のようなポイントをあげています。
【血管外漏出の事例のポイント】
・留置針の挿入部の安静を守れるように体動時・移動時はナースコールを押すよう説明してお
 く。
・患者から刺入部の疼痛などの訴えがあった場合は、血管外漏出を疑って対応するとよい。
・血管外漏出が疑われる場合は、抗がん剤の投与を直ちに止め、院内で決められた血管外漏出時
 の対応を速やかに実施する。
・院内で抗がん剤の血管外漏出対応マニュアルを整備し、日頃から内容を確認しておく。等

【急性過敏反応の出現の事例のポイント】
・患者の治療歴や副作用歴などを事前に情報収集しておくことが重要。
・個々の抗がん剤に合わせた抗ヒスタミン剤や副腎皮質ステロイド剤などの前投薬を投与し、適
 切な予防策を実施してから抗がん剤を投与する。
・急性過敏反応は発見後に早期に対応することが重要であり、急変時の対応をスタッフ間で共有
 するなどして備えておく必要がある。等

医療関連機器圧迫創傷(MDRPU)に関連した事例では、MDRPUが発生した要因ごとに医療機関から報告された改善策を掲載しております。
・NPPVマスクの場合:マスクの装着の際にはシカケア、メピレックストランスファーのいずれか
 の保護材を必ず使用し、ズレが生じないように観察、処置を行う。等
・シーネ固定の場合:シーネの巻き替えを1日1回行う、またハイリスク患者への積極的な除圧を
 実施する。等
・血管留置針の場合:挿入の際に、テープで固定する時は皮膚を伸展させないよう注意する。等

詳細は下記URLをご覧ください。
https://www.med-safe.jp/pdf/report_67.pdf
(公益財団法人日本医療機能評価機構医療事故防止事業部)

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