台風、地震等、各地で災害が相次いでいます。
被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。 被災された個人、事業者は、復旧費用等で税制上の特例を活用できます。 ここでは主な特例をご紹介します。
その他にも、国税庁ホームページの「災害関連情報」に 掲載されていますのでご参照ください。
◆個人が被害を受けたら 災害により、住宅や家財等に損害を受けた場合、確定申告を行うことで 所得税を軽減できます。 家族の所有する資産に損害を受けた場合、その家族が自己(確定申告をする人)と 生計を一にする配偶者その他の親族で、その年の総所得金額等の合計額が38万円以下の 人であれば、その人の資産の損害についても適用されます。
(1)所得税法の雑損控除 次のうち金額が多い方を雑損控除として所得金額から差し引くことができます。
・差引損失額※-総所得金額等の10分の1
・差引損失額※のうち災害関連支出の金額-5万円
※損害金額から保険金等によって補填される金額を差し引いた金額
対象となる資産は、住宅及び家財を含む生活に通常必要な資産です。 別荘、1個または1組の価額が30万円を超える貴金属や骨とう等は該当しません。 また、この控除を受ける場合は、災害を受けた資産の明細等がわかるものを確定申告書に 添付する必要があります。
(2)災害減免法 住宅または家財の損害金額(保険金等によって補填された金額を除く)が価額の 2分の1以上であった場合、損害を受けた年の所得金額の合計額が1,000万円以下であれば、 所得金額に応じて所得税の軽減または免除が受けられます。
<その年分の所得金額の合計額> <所得税の減免額>
500万円以下 全額免除
500万円超750万円以下 2分の1の軽減
750万円超1,000万円以下 4分の1の軽減
(1)(2)は、どちらか有利な方を選択することができます。
◆事業者が被害を受けたら
(1)個人事業者 災害により、事業用資産等に被害を受けた場合、その損失の金額を必要経費に 算入することができます。ただし、保険金等により補填される部分の金額は、 必要経費に算入されません。
(2)法人 災害により、事業用資産等に被害を受けた場合の法人税の取扱いは以下の通りです。
1)法人所有の資産が被害を受けた場合の損失または費用を損金にすることができます。
・災害により滅失または損壊した資産の損失 ・損壊した資産の取り壊しや除去に掛かった費用
・土砂その他の障害物の除去のための費用
2)建物、機械、備品等の復旧費用を修繕費として損金にすることができます。
3)被災した資産の修繕に代えて新たに資産を取得した場合(建物や機械を取得当時よりも バージョンアップさせる場合)は、資本的支出として資産計上します。 ただし、修繕費か資本的支出かを区別することが難しい場合は、かかった費用の30%を 修繕費とすることができます。