2017年12月 中医協議論状況

中医協ピックアップ

 

中医協は12月1日、6日、8日、13日、15日、20日、22日と開催されました。 議題等と資料の詳細については下記ホームページをご参照ください。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-chuo.html?tid=128154

【12月22日中医協総会】
各側委員が意見書提出、個別改定論議は年明けから 支払・診療側委員はそれぞれ診療報酬の個別改定項目についての意見書を提出しました。 支払側は、2018年度改定の入院報酬の見直しで、段階的に設定される実績部分評価のうち、 急性期で最も高い7対1相当評価の「重症度、医療・看護必要度(以下、看護必要度)」の 該当患者割合を現行の25%以上から30%以上に引き上げることなどを要望しました。

診療側は【初・再診料】の引き上げを求めました。

【25対1療養病棟入院基本料】の経過措置期間では、 支払側が2年間での廃止を主張したのに対し、診療側は6年間の延長を要求するなど、意見が隔たる 項目もあります。年明け再開の議論の行方をご注目ください。

[医療機器] 医療機器1品目、臨床検査2件の保険適用を了承
(1)【新機能・新技術】新たに保険適用される医療機器(2018年4月収載予定) 人体の皮膚表面に発汗量検出プローブを装着することにより発汗量を連続、簡便かつ定量的に測定する「発汗計 SKN-2000M」(西澤電機計器製作所):特定保険医療材料ではなく、既存技術料(留意事項の変更)で評価。
(2)新たに保険収載される臨床検査(2018年2月収載予定) ・EGFR遺伝子検査(血漿) リアルタイムPCR法  D006-2 造血器腫瘍遺伝子検査 2,100点 → がん組織または血漿から抽出したゲノムDNA中のEGFR遺伝子変異を検出する 「コバスEGFR変異検出キットv2.0」(ロシュ・ダイアグノスティックス) ・サイトメガロウイルス核酸検出(尿) 等温核酸増幅法  D023 微生物核酸同定・定量検査  12 結核菌群リファンピシン耐性遺伝子検出 850点 → 尿中のサイトメガロウイルスDNAを検出する「ジェネリスCMV」(シノテスト)

【12月20日中医協総会】
厚労省は、▽薬価専門部会(第143回)▽費用対効果評価専門部会・薬価専門部会・ 保険医療材料専門部会合同部会(第6回)▽総会(第380回)を開催しました。

薬価専門部会では「薬価制度の抜本改革に係る骨子(案)」が議題とされました。

骨子の柱は、(1)効能追加等による市場拡大への速やかな対応、(2)毎年薬価調査・改定、  (3)イノベーションの適切な評価、(4)長期収載品の薬価の見直し等。
新薬創出等加算の見直しについて「きちんと事後検証するよう求める」意見が出ました。
費薬材合同部会では、費用対効果評価の試行的導入における取組及び制度化に向けた主な課題について議題とされました。日医委員は「まずは(試行的導入についての)コスパを検証すべき」「新たな支払い意思額調査の実施には反対」など制度化に向け慎重な姿勢を示しました。

支払側委員は「情報開示による透明性の確保」など日医委員の意見に一定同調しつつも 「新たな支払い意思額調査の実施は必要」(協会けんぽ)と述べるなど、制度化に向けて  検討を進めていくよう求めました。

【12月15日中医協総会】
2018年度診療報酬改定への意見について(公益委員案の提示)、異論なく承認されました。
2018年度保険医療材料制度改革の骨子(案)について、異論なく承認されました。
「医療機関と薬局の情報共有・連携等」については「かかりつけ医・薬局」間の情報提供のあり方で議論が紛糾しました。
「治療と仕事の両立支援等」については、厚労省担当者より「治療と仕事の両立支援」「保険医療機関に所属しない病理医との連携による病理診断」「麻酔の技術評価の在り方」 「スティーヴンス・ジョンソン症候群等の眼後遺症に対する治療」に係る診療報酬上の課題と  対応案等が提起されました。

【12月13日中医協総会】
2018年度診療報酬改定に対する支払側と診療側の意見書を厚労大臣に提出する方針を確認しました。
意見表明の前に本体部分「0.55%増で決着」と報道されたことに支払側が前代未聞と問題意識が示されました。
医療従事者の多様な働き方についても取り上げられました。厚労省は、リハビリテーション専門職の常勤要件の緩和と医療従事者の専従要件の取り扱いの弾力的運用を提案しました。診療側は支持する考えを表明、支払側は慎重な対応を求めました。
全医療機関で明細書の無料発行もテーマになりました。厚労省は、明細書と領収証の果たすべき機能、発行業務の実態、2020年度予定のレセプト様式の見直しなどを踏まえ、明細書発行の対応をどう考えるか 議論を求めました。支払側から明細書発行の完全義務化を求める意見が出ています。
新医薬品に関する14日間の処方日数制限を見直す必要性については、委員から否定する意見が相次ぎました。

【12月8日中医協総会】
医療と介護の連携…▽介護支援専門員や老健施設との情報共有・連携、▽介護施設での看取り、▽訪問指導料の単一建物に係る取扱い、その他
レセプト様式の変更…フリガナは2018年、郵便番号は2020年から
入院医療…▽医療法上の取り扱いは6年延長、▽療養病棟入院基本料は医療区分2・3割合50%以上で 名称変更の上統一し、現行扱いをまずは2年間の経過措置化、▽医療区分3から「医師および看護師による常時監視・管理」のみを除外、▽在宅復帰機能強化加算の基準値引き上げ、▽従来の退院支援加算から「入退院支援加算」に名称・概念改め、中小病院への支援担当を評価
調剤報酬…かかりつけ薬剤師推進のため患者との同意書を交わす、調剤基本料の特例対象除外から 「かかりつけ薬剤師指導料」月100回以上算定の場合を廃止、「対人業務」のさらなる推進のため、調剤料見直しや手帳の活用が不十分な薬局の評価引き下げなど7つの論点
個別事項…腎代替療法、小児かかりつけ診療料、遠隔画像診断、従事者の働き方、公認心理師、外来相談など7項目なお、審議時間不足のため、個別事項は途中より次回以降の議論となりました。

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