無料化求め再始動! 子ども医療京都ネット

子ども医療費無料制度を国と自治体に求める京都ネットワーク(略称:子ども医療京都ネット)が、2017年8月31日にReStart代表者会議を開き、13年ぶりに活動を再開しました。 

■略歴
▼2001年5月31日、「乳幼児医療費無料制度を国に求める全国ネットワーク」(略称:乳幼児医療全国ネット)が運動を開始したことを受けて、同年9月27日に「乳幼児医療費無料制度を国と自治体に求める京都ネットワーク」(略称:乳幼児医療京都ネット)を結成。国への署名とともに府内自治体への署名をはじめ賛同を広げ、府民に地域格差の存在と制度の必要性を知らせ、行政・議会においてもその必要性を一定浸透させることができました。それにより、不十分ながらも就学前までの拡大を勝ち取り、さらに上乗せを行う自治体が続々と出てきたことから、2004年12月の事務局会議をもってネット活動をいったん区切りとしました。

▼今回活動を再開するのは、子どもの貧困が深刻化し、国による自治体助成へのペナルティが就学前までの助成に限って廃止された情況にありながらも、依然改善されない制度改善を促すことを目的とします。特に就学前の子どもは受診抑制するようなことがあってはならない大事な時期であるので、京都府と京都市には強く求めていきたい。2017年8月31日に再開の代表者会議を開き、再開にあたっては名称を標記のように改めました。

■要求
 子ども医療費無料制度を国と自治体に求めながら、当面は①中学生までの3000円負担をなくし無料化求める②学童う歯対策を府全域に拡大③子ども医療助成への国保減額調整(ペナルティ)の全廃―を求めます。

■当面の行動
①貧困と受診抑制の実態アンケート(保育所などに配布し9月末に集約)➡11月26日集会で公表
②京都府・京都市に向けた要請署名(10月半ば~来年1月末まで目標3万)➡2月頃に府・市要請
③年末の府議会、市議会に請願提出
④「安心して子育てできる京都に―子ども医療費無料化を求める集会」(仮称)の開催

11月26日(日)午後2時~職員会館かもがわ

■事務局団体
京都府保険医協会/京都府歯科保険医協会/新日本婦人の会京都府本部/京都民主医療機関連合会/京都社会保障推進協議会/京都保育団体連絡会

■事務局
京都府保険医協会
京都市中京区烏丸通蛸薬師上ル七観音町637 インターワンプレイス烏丸6階
〒604-8162 TEL 075-212-8877 FAX 075-212-0707 

■子どもの医療費助成制度を巡る状況
①全国の助成状況
厚労省が7月7日に公表した「乳幼児に係る医療費の援助についての調査結果」(2016年4月1日現在)によると、全1741市区町村のうち通院費を「高校卒業まで」助成している自治体は378(前年比+109)で全体の22%、「中学卒業まで」は1005(+9)で58%、「小学校卒業まで」は121(-27)の7%と着実に拡充。「中学卒業」までは通院80%、入院90%の自治体で実施している状況があります。自己負担なしの自治体は6割を超える1054に及んでいます。なお、国で中学卒業まで無料化する影響額は7100億円(2012年度予算ベースの粗試算)とされています。

②ペナルティの廃止
自治体が独自に窓口負担軽減を行うことに対し、国は「医療費の増加につながる」として市町村国保の減額調整というペナルティを課しています。子育て支援の実情にそぐわないなどと自治体の反発もあり、国は2018年度より就学前の支援に限ってペナルティ廃止を決めています。そもそも自治体が住民のために実施する窓口負担軽減にペナルティを課すこと自体が問題で、全ての福祉医療においてペナルティ廃止が求められます。

なお、京都府の自治体における就学前までの廃止の影響額は1億円弱、就学後も含めた総額は15億円(2015年度分)で府は2016年11月に国へ廃止要望を行っています。

③京都府の変遷と現況
京都府の助成制度(右表)を、通院についてみると、乳幼児ネットの運動もあり2003年に就学前まで達成したときは、月8000円超額を償還払いとするものでした。その後、金額は3000円にまで引き下げられ、中学卒業まで拡大はしましたが、依然3歳以上で高い負担額となっています。

受診抑制という観点から大事な時期である就学前までの負担額で比較すると、近畿の府県では突出していることがわかります(別表参照)。

なお、府の2015年度助成費用は17億5981万円で、中学卒業まで無料化する場合の追加費用は27億円と試算されています。

④府内市町村の現況
2017年度に拡充した市町村は、4月に実施した南丹市、京丹後市、井手町、9月実施の宇治市と亀岡市、久御山町。京丹後市と井手町が新たに行ったことで、「高校卒業まで」入院通院ともに対象とする自治体は5となりました(久御山町は入院のみ)。また、完全無料としている自治体は4です。

一方で通院月3000円の負担を課しているのは、京都市が3歳以上、亀岡市が小学生以上、向日市・長岡京市・大山崎町・舞鶴市が中学生のみ。9月から宇治市はこの部分を200円負担に、亀岡市は3人以上子どもがいる世帯に限って200円負担としました。

京都市で就学前の子どもの受診に月3000円を必要とするのは、府内でも他の政令市との比較でも突出していると言わざるをえません(別表参照)。同市は2016年12月公表の「京都市貧困家庭の子ども・青少年対策に関する実施計画(骨子)案」で「更なる拡充の検討、恒久的な補助制度創設の要望」に言及していますが、早急な改善が必要です。

⑤歯科の無料制度
京都市は歯科受診に関しては、小学生は無料となる「京都市学童う歯対策事業」という優れた制度があります。しかし、その前段階の年齢で3000円負担により治療をためらうことになれば、早期治療の観点から問題であるし、治療にかかる助成費もかさむことになり、この点からも拡充が望まれます。

舞鶴市・宮津市・伊根町でも助成が行われており、子育て医療費とともに全府に広げてほしい制度です。

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