厚労省、5月8日以降の新型コロナ・施設基準の臨時的取扱いを事務連絡(4月6日)

 厚生労働省保険局医療課は2023年(令和5年)4月6日、事務連絡「新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけの変更に伴う施設基準等に関する臨時的な取扱いについて」を発出。これまで「新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて」により示されてきた施設基準等の特例について、2023年(令和5年)5月8日以降の取扱いを示しました。

(1)定数超過入院
 新型コロナウイルス感染症患者等を受け入れたことにより、超過入院となった場合は、当面の間、減額措置適用しない(DPCの場合は診断群分類により算定する)―としています。

(2)施設基準に係る特例
①月平均夜勤時間数等に1割以上の変動があった場合の取扱い(2023年(令和5年)9月30日で終了)
 ア) 新型コロナウイルス感染症患者を受け入れた保険医療機関等
 イ) アに該当する保険医療機関等に職員を派遣した保険医療機関等(市町村等の要請により新型コロナワクチン対応を行った保険医療機関を含む)
 ウ) 新型コロナウイルス感染症に感染し出勤ができない職員が在籍する保険医療機関等―の何れかに該当する(=「対象医療機関等」)場合、

 a)月平均夜勤時間数、1日当たり勤務する看護師及び准看護師又は看護補助者の数、看護要員の数と入院患者の比率並びに看護師及び准看護師の数に対する看護師の比率について、1割以上の一時的な変動があった場合も、変更届は不要。
 b)DPC対象病院への参加基準を満たさなくなった場合の届出は不要
 c)平均在院日数等の一定期間の実績を求める要件及び手術の実績件数等の患者及び利用者の診療実績等に係る要件について、満たさなくなった場合も、すぐの変更届は不要。
 d)新型コロナウイルス感染症患者を受け入れたことで、特定入院料等の届出を行っている病棟に要件を満たさない患者が入院した場合、当該患者を除いて施設基準の要件を満たすか否を判断する
―としています。ただし、①②については、記録の保管が必要です。

②対象医療機関等に該当しなくなった後の施設基準の取扱い等
 「対象医療機関等」に該当しなくなった後は、平均在院日数等の一定期間の実績を求める要件及び直近の一定期間における手術の実績件数等の患者及び利用者の診療実績等に係る要件について、当該一定期間に当該保険医療機関等が「対象医療機関等」であった月が含まれる場合、
 ア)対象医療機関等に該当する期間については、実績を求める対象とする期間から控除した上で、控除した期間と同等の期間を遡及して実績を求める対象とする期間とする。
 イ)対象医療機関等に該当する期間については、当該期間の実績値の代わりに、実績を求める対象とする期間から対象医療機関等に該当する期間を除いた期間の平均値を用いる。
―のいずれかの方法で算出できるとしています。

 また、DPCにおける(データ/病床)比及び機能評価係数Ⅱにおける診療実績に基づく指数(効率性指数、複雑性指数、カバー率
指数、救急医療指数、地域医療指数)の取扱いについては、上記「ア」及び「イ」により算出した場合と、「通常と同様の取扱いをした場合」とを比較し、最も高い値を用いる―としています。

③研修要件にかかる取扱い
 再診料の注12地域包括診療加算及び地域包括診療料の施設基準に規定する慢性疾患の指導に係る適切な研修に係る施設基準を満たせない場合、届出を辞退する必要はなく、引き続き算定可能である特例については、本事務連絡発出から2年を経過した日に終了する―としています。

④その他の取扱い(2023年(令和5年)9月30日で終了)
 ア)月平均夜勤時間数については、新型コロナウイルス感染症患者の受入れのために月の途中から病床数又は病棟数を変更した場合、勤務状況等について十分に把握するとともに、勤務実績に係る記録を保管しておくことでよい。
 イ)新型コロナウイルス感染症患者の受入れのために特定集中治療室管理料等と同等の人員配置として令和5年3月31日までに簡易な報告を行った病棟は、ハイケアユニット入院医療管理料の施設基準における病床数の上限について、特例的に超えてもよい。
 ウ)回復期リハビリテーション病棟入院料注4イの体制強化加算1について、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れたこと等により、専従医師に係る要件を満たさなくなった場合、直ちに辞退の届出を行う必要はないが、要件を満さない間、体制強化加算1の算定はできない。
 エ)看護職員夜間配置加算、病棟薬剤業務実施加算等について、新型コロナウイルス感染症患者の受入れ等により休棟になる病棟については、配置要件を満たす必要はない。病棟薬剤業務実施加算における病棟薬剤業務の実施時間の要件についても同様。
 オ)病棟薬剤業務実施加算の施設基準において、病棟専任の薬剤師による病棟薬剤業務の直近1か月の実施時間が合算して1週間につき20時間相当に満たない病棟があってはならないが、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため病棟での滞在時間を制限している場合等により施設基準を満たさなくなった場合は、直ちに変更届は不要―としています。

⑤特例により届出を行わなかった対象医療機関等における報告
 施設基準等を満たさなくなった場合に特例により届出を行わなかった「対象医療機関等」は、令和5年10月における入院基本料及び特定入院料の施設基準に関する状況について自己点検を行い、令和5年11月 17日までに各地方厚生(支)局へ当該点検結果を報告する―としています。

(3)初診時の選定療養費の取扱い
 以下の①②の場合、初診時の選定療養費の支払いを求めないことができる「その他、保険医療機関が当該保険医療機関を直接受診する必要性を特に認めた患者」に該当するとしています。
 ①新型コロナウイルスの感染が疑われる患者が「受診・相談センター」等において、複数の医療機関の案内を受け、その中から患者自身が200床以上の病院であって、外来対応医療機関である医療機関を選択した場合。
 ②新型コロナウイルスの感染が疑われる患者について、都道府県等が設置する「受診・相談センター」等の案内によらず、患者自身が自治体のホームページを閲覧するなどして、200床以上の病院であって、外来対応医療機関である医療機関を受診した場合。

(4)その他の取扱い
①臨時の医療施設開設の取扱い
 新型コロナウイルス感染症患者等を受け入れるために緊急に開設する必要がある保険医療機関が、新たに基本診療料の届出を行う場合に、当分の間、要件審査を終えた月の診療分についても当該基本診療料を算定できる―としています。

②抗ウイルス薬について
 小児科外来診療料、小児かかりつけ診療料、在宅時医学総合管理料、施設入居時等医学総合管理料又は在宅がん医療総合診療料を算定する患者に、抗ウイルス剤(新型コロナウイルス感染症の効能若しくは効果を有するものに限る)を処方した場合、別途、薬剤料を算定できる―としています。

 その他の項目、詳細は、当該事務連絡をご参照下さい。↓↓↓
新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけの変更に伴う施設基準等に関する臨時的な取扱いについて

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