協会は1月23日、京都府知事宛に「改正医療法の国会成立を踏まえた京都府の医療提供体制政策に関する基本的な要望」を提出しました。
「医療法等の一部を改正する法律案」は昨年(2025年)12月5日に国会成立しました。膨大かつ今後の地域医療に甚大な影響を与える法案であるにもかかわらず短期間での審議であり、国民はおろか国会議員さえどこまで熟知して採決に臨んだのか疑わしい状況です。
ともあれ改正内容を実際に進めていくのは主に都道府県であることから、今回の要望書では改正医療法の危険性と問題点を指摘し、府に対しそれを踏まえた施策を求めました。
要請事項は大きく4つです。
1つめは「国の病床・病院の淘汰・削減政策にしたがわないこと」。
2つめは「国の開業規制・診療所削減方針にしたがわないこと」
3つめは「少なくともオンライン診療受診施設への営利企業参入を認めないこと」
4つめは「医療DXの名による患者の医療情報収奪の仕組みに協力しないこと」
1つめにかかわって、改正医療法は病院が経営判断として病床数を削減したとき、都道府県の策定する医療計画の「基準病床数」も減らすという「不可逆的措置」を盛り込んでいます。昨年末に成立した「令和7年度補正予算」には前年度に引き続き「病床数の適正化に対する支援」(3490億円)が盛り込まれ、稼働病床6万、休床3.8万の削減が見込まれています。これに前回の適正化事業の「達成」である1万1278床(内、京都府は291床)を足すと約11万床。現政権が医療費抑制のため(社会保険料の引き下げを名目に)に目指す削減数と合致するという仕掛けです。
さらに改正医療法は病院・有床診療所に新たな「医療機関機能報告」を義務づけ、それぞれ「急性期拠点機能」「高齢者救急・地域急性期機能」「在宅医療等連携機能」「専門等機能」のいずれかの選択が迫られます。これにかかわって国は「区域の人口規模」ごとの「配置数」を提示しており、区域を「大都市型」(100万人以上)、「地方都市型」(50万人程度)、「人口の少ない区域」(~30万人)に分け、例えば人口30万人までの区域であれば「急性期拠点機能」は「1カ所」で良い、と読み取れる書きぶりをしています。これでは京都府でいえば福知山市以北には急性期の病院は1つあれば良いことになってしまいます。国は医療費抑制のために「人口規模に対する必要病院数」を設定しようとしているものと考えられます。
こうした病床・病院の淘汰とコントロールが、国による科学的根拠の希薄な「需給推計」を根拠に推進されることは許されない。京都府として必要な病院・病床を守るように強く要請しました。
また、2つめにかかわって、改正医療法で新設された「外来医師過多区域」では、主に診療所数のコントロール、数の抑制を目指すための「開業規制」が狙われています。
「外来医師過多区域」に指定されると(国の基準に則り都道府県が指定。法施行から考えると2026年4月指定の可能性があるが詳細不明)、新規開業希望者(医院承継も対象となる可能性大)には「6カ月前に提供予定の医療機能等の提出」や協議の場への出席を求めたうえで「地域で不足する医療の提供」(地域外来医療)を強く求め、応じない場合は「診療報酬上の措置」や「補助金の不交付」も検討されています。
先日、国は厚生労働省の社会保障審議会医療部会で「京都・乙訓医療圏」を「外来医師過多区域」の「候補」に挙げました。それが地域医療にもたらす影響を把握し、京都府として軽々に指定しないよう求めています。
また目下の重大課題であるオンライン診療受診施設について適切な規制を求め、改正医療法に盛り込まれた「電子カルテ100%」等の医療DXについても、真に患者のためになる運用を求めています。
要請書の全文は以下よりご覧になれます。
https://healthnet.jp/wp-content/uploads/2026/01/d7d5249e962aada73f33848763a9fc2a.pdf







