私のペット アマガエル飼育のススメ  PDF

私のペット アマガエル飼育のススメ

山田 一雄(山科)

 まだ娘が小学校に行きだす前のことですが、当時の私の勤務地近くの施設の草むらを散歩していた際に、連れていた娘が小さなアマガエルを捕獲しました。連れて帰って飼いたいと言ったので連れて帰りました。

 アマガエルは陸生のカエルなので水槽は必要としないのですが、ちょうど空きになった背の高い熱帯魚の水槽があり、ジャンプして逃走される心配もない高さだったのでこれが住居になりました。名前は恐れ多いことに聖書にある大天使と同じで、ミカエルです。

 カエルは生餌しか食べないと聞いていたのでこれは大変だと思ったのですが、意外と別の面でのメリットもありました。毎晩近くを娘と散歩しながら吸虫管で夜間も照明をしているショーウィンドウにとまっている小さな虫を捕獲するということになったからです。これはなかなか良いコミュニケーションになったと思います。

 冬季になると餌にする虫も出なくなりますが、カエルも冬眠しますので冬場は虫の採取は必要がなくなります。でも冬眠していると生きているのか死んでしまったのかわからないので(地面にもぐるのかと思ったのですが、もぐらずに砂の上で動かなくなります)、不安ではありましたが春になってモゾモゾと動き出すと一安心。そしてまた、夜の散歩が始まります。ミカエルを見ていると「冬籠りの虫が這い出る」という「啓蟄」という季語の意味も良く分かるようになりました。

 アマガエルの寿命は5年ほどだそうですが、ミカエルとは7年ほど一緒に暮らしました。私は不慣れな飼い主だったのでしょうが、長生きしてくれたものです。家族とのコミュニケーションと散歩にも貢献してくれた思い出深いペットです。

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