なんでも書きましょう広場 知恵と力で切り抜け可能な財政問題 第39回保団連医療研究フォーラム参加記 宇田 憲司(宇治久世)  PDF

 「白衣にヒューマニズムを時代に聴診器を」をテーマに第39回保団連医療研究フォーラムが、愛媛県保険医協会主催で松山市のANAクラウンプラザホテル松山にて9月22日・23日に開催され、聴講でのみ出席した。
 1日目は、「白衣にヒューマニズムを」に関連し、女流俳人の神野紗希氏による兼題「白衣」の事前応募・会員投稿の俳句の審査発表と地元出身正岡子規の句作についての講演があった。特選には、「ハロウィンの衣装は白衣ママのお古」(宮崎県・染矢哲郎氏)、「星月夜真っ新白衣漕ぐペダル」(大阪府・高本英司氏)が選ばれ、自由詠では、「往診のたびに金魚の太りをり」(埼玉県・篠原白野氏)、「白を活け紫を挿し涼しかり」(埼玉県・萩原行博氏)が選ばれた。
 「時代に当てられた聴診器」としては、全国共同調査結果報告「オンライン資格確認導入、オンライン請求義務化に伴う医療機関への影響調査」があり、身につまされる問題である。
 次に、朝日新聞社編集委員の原はら真人まこと氏が、日本が抱えるリスクとして、「日本の衰退と未来」を記念講演した。氏は安倍晋三元首相の政治・経済政策をレーガン元米国大統領の政策を揶揄して「アベノミクス」と命名した。首相は、自分の政策は@第一の矢:大胆な金融緩和A第二の矢:機動的な財政出動であって、しかし両者は矛盾するが結びつき、さらに日本銀行が紙幣を発行し、国債を引き受けて財政資金を賄う財政ファイナンス的な動きになり、経済成長を可能とするB第三の矢:イノベーションによる経済発展には至らなかった。首相には、マスコミに付けられた綽名と気に入られず、また日本銀行の黒田東彦総裁からも、記者会見での質問にまともな回答をもらえず、嫌われたとのことである。
 人力では切り抜け困難な自然災害のようではなく、知恵と力で切り抜け可能な問題に財政問題があるとする。日本の財政の健全度は、今や世界187カ国中186番目とされ、大変である。今後、近年中に生じる可能性が高い南海トラフ地震や首都直下型地震、近隣諸国間での戦争で、経済的リスクから超インフレが生じたなら、将来のための貯金などが、円も暴落して極小価値に低下すれば国・地方の債務も暴落するので返済不要と等しくなる。あな恐ろしやである。
 翌日は分科会を聴講し、その後ポスターセッションに出席した。京都会員の阿部純氏が「今こそ、一般治療”での妊娠を!」があり難解であったが、要は少子高齢化・人口減少を防止し、ホモサピエンスの滅亡防止を!と聴く。
 帰路は往路と同じJR予讃線には乗らず、バスでしまなみ街道を北上して島々の間を橋で渡り、途中大山祗神社を参拝し、「天皇陛下のお言葉のように、国民が幸せで、世界が平和でありますように!」と祈った。会員の先生方も保団連医療研究フォーラムに是非ご参加下さい。

オープニングの愛媛県立伊予高校書道部のパフォーマンス「博愛」(写真提供:愛媛県保険医協会)

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