「患者様の立場に立った暖かい医療」を目指して 岸本病院(舞鶴)で接遇研修  PDF

 岸本病院(舞鶴市)は9月5日に接遇研修を開催。協会は(株)JAPAN・SIQ協会の米谷徳恵氏を講師に派遣した。当日は新人スタッフや、コロナ禍でこれまで接遇研修を受講できていなかったスタッフを中心に22人が参加した。

 米谷氏はまず、研修の場は同じ知識を参加者全員で共有することができる「共有の場」、これまで特に意識せずに行ってきたさまざまな行為・行動を意識行動に改善する「自己成長の場」と説き、「受講させられている」思いではなく、ぜひ「よし、せっかくだから自分から学んでみよう」と思ってほしいと述べた。その上で病院の基本理念と基本方針に触れ、今回の研修はこの理念・方針を具現化し、形に変えることが目標とした。
 続いて、「接客」と「接遇」の違いについて参加者に質問。当てられたスタッフは「マニュアル通りだけではなく、考えて対応する」「心のこもった対応」などと回答した。米谷氏は「相手の立場に立って、相手の望むことをして差し上げる」ことが「接遇」だが、決して相手の言いなりになる・言われた通りに従うのではなく、医療のプロ・専門家として「この患者に何をして差し上げられるか」「どうすれば患者の思いに寄り添い、求めていることになるべく近づけてあげられるか」を考えることが重要だと説明した。
 次に米谷氏は「人は第一印象で決まる」ことについて「初頭効果」を説明。初対面・最初の数秒で相手に与えた印象が、その後もずっと相手の記憶に残り続けるとして、無意識で行っている「身だしなみ」「表情」「態度(立ち居振る舞い)」「言葉遣い」「あいさつ」などについて、どのような点に注意し、改善すると良いかをミニゲームなどを交えながら解説した。
 二人一組になり、1人がお題に沿った表情をし、もう1人がその表情だけで何を伝えたいのか当てるゲームでは、「さっきと同じ顔だ」「難しい」などの悲鳴や笑顔があふれた。米谷氏は、「気持ちが伝わる表情」ももちろん大切だが、患者の表情が分からないと、求めていることも分からないため、表情をする側だけでなく、当てる側の「気持ちを読み取る洞察力」も重要なスキルであると述べた。
 参加者全員を4チームに分けた「あいさつコンテスト」では、お辞儀の角度や声のトーン、タイミングなどをチーム全体でそろえるべく、各チームが休憩時間も返上して熱心に練習していた。
 後日、事務長に行ったインタビューでは、参加者の「とても分かりやすく、勉強になった」「これまで受けた接遇研修で一番良かった」などの声を紹介いただき、「すぐには結果が出なくても、良い意識付けができたと思う」との感想が寄せられた。

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