京都市独自の接種支援策再考を 接種体制で改善求め要請  PDF

 協会は、京都市独自の接種支援策をはじめとした新型コロナワクチン接種体制の改善を求め、6月21日、市医療衛生企画課に要請書を提出した。
 要請書では、▽接種費用に関する京都市独自の支援策▽出務調整および報酬支払事務の委託▽集団接種予約登録制での電話による連絡方法―の改善を求めた。
 京都市独自の支援策は、5月26日の京都市長会見で示された①週120回以上の接種を行う医療機関に対し、1医療機関、週ごとに5万円②接種1回にあたり、接種費用を300円増額―というもの。この支援策は、京都市のポータルサイトとコールセンターで受け付けた集団接種希望者の一部を補完する個別接種が対象で、自院で予約を受け付け、時間外や休診日に接種を行っている医療機関は対象とならないと市から説明を受けている。各医療機関は、医療機関の規模を考慮し通院患者と接種希望者が密にならないよう時間外や休診日に接種を行うなどの工夫を重ね、可能な限り接種を行っている。市の独自支援は、そうした医療機関に報いたものとは言い難いと指摘。また、個別で協力できなくとも集団接種で協力したいと考えている医師も多いことから、接種に協力する全ての医療者に対し、広く費用を上乗せする支援策を講じてほしいと要請した。
 出務調整と報酬支払い事務の委託については、特に報酬支払い事務が各地区医師会の負担となっていることを説明。地区医師会事務局が問題なく事務を担えるところもあれば、通常業務に支障をきたしている地区医師会もある。一方で、業務を担えず税理士などの専門家に再委託を検討している地区医師会では、京都市の提示する事務費用案の金額では心許なく、困惑している状況であり、地区医師会の事務負担の軽減を図るとともに最大限の支援を行ってほしいとした。
 集団接種予約登録制での電話による連絡方法では、登録を行った接種希望者に対する場所・日時の案内が電話のみであることが、6月5日付の京都新聞で報道された。電話のみの案内方法では、認知症でかつ独居の方のご家族が登録され、連絡先をご本人にされている場合や、 聴覚にハンディキャップのある方が登録した場合等、電話の対応の難しい方々への合理的配慮がなされていないと指摘。少数弱者を置き去りにしないよう電話とはがきを組み合わせた通知等、改善を求めた。

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