伝(つとう) 俊秋(左京)
2年前の本紙(第2974号)で背中に湿布を貼る道具(フライパン用シリコンターナー)と、往診時の難聴者、特に畳に布団を敷いて寝ている患者さんとの会話用に洗濯機の排水ホースを使って話す方法を説明しました。
今回は診察室での難聴者対策です。手をメガホンのようにして話しても、大声になるばかりで話は続きません。そこで手軽に使えるものを紹介します。ポテトチップスの筒です。底のボール紙をくりぬいて、メガホンのように使います。製品によっては底が金属製というものがあります。紙製を購入して切り取って下さい。
この筒を使用すると、声がけっこうまっすぐに飛ぶので、そう大きな声を出さなくても患者さんの耳に届きます。少し離れていても有効です。逆に小さな声で患者さんに話しかけられても医師の耳に届きます。難聴ですかと問うといやがる患者さんもいらっしゃいますので、様子をみてサッと使用するとそのまま受け入れてくださいます。
これは医療関係者だけでなく、老夫婦間でも使えます。食事の会話が盛り上がるでしょう。頭の活性化に役立ちます。しかも、わずか200円弱です。
ただし、医院で使う際は白い紙を巻いて下さい。「先生、食べながら仕事しているの?」と聞かれました。
なお、コンビニで売っている小さな筒はダメで、直径7センチ、長さ23センチです。コツはゆっくり区切って話すことです。補聴器なしでもけっこう聞こえているようです。患者さんに笑顔がでます。