今井 慎(右京)
外来では、よく年配の患者さんから足の爪を切ってほしいと依頼されることがありますが、腰痛や膝の痛みで屈めないため自分では切れないことや爪の水虫で白濁、肥厚して通常の爪切りでは切れない場合もあります。市販で安価で売っている上下の刃で爪を挟んで裁断するクリッパー型は爪が肥厚してくると挟めなくなり、切ることができません。
そこで、ニッパー型の爪切りが必要になってくるのですが、数千円のものでは使用しているうちに刃がこぼれて切れ味が悪くなり、またステンレス製でもこぼれた部分からサビついてきます。しかも、長く使用しているうちにヒンジ部も固くなって潤滑剤で手入れしていかないと使いにくくなってきます。施設に入所されているような方では爪が肥大し、なおかつアンモナイトのようにカーブを描いて、足先先端までも覆ってしまっているようなこともあります。こうなってくるとニッパー型の刃で挟んで、いくら力を入れても全く歯が立たちません。
そんな中、テレビで高品質で切れ味のいい爪切りとしてSUWADAというブランドの爪切りが紹介されているのを見て早速、購入してみました。すると固い爪でもパキッと高い音ではなくプチと鈍い音でそれほど強い力をかけなくてもきれいに切ることができました。おかげでそれ以来、SUWADAの爪切りで肥厚した爪でも楽にかつ早く切れるようになり大満足です。
価格は7千か8千円ぐらいするのですが、諏訪田製作所というメーカーが一丁ずつ職人さんの手により仕上げられたもので、商品は丁重にメタルケースに収納されて販売されています。2年くらい使用していますが、特にメンテナンスしていなくても今でも使いやすさと切れ味は保たれた状態ですばらしいです。購入は通販や一部、百貨店などでも直接、入手できるのですが、メーカーがある新潟県三条市では、1万円以上の寄附でふるさと納税の返礼品としてでも入手できるようです。