私の趣味 習い事あれこれ その2  PDF

礒部 博子(宇治久世)

 前回、今年の新春特集に「習い事あれこれ」という私の随筆を掲載していただきました。好評だったかどうかはさておき、文章の最後に「このお話の続きは、また次回」と書いてしまったので、「次はいつ?」と先生方からお声をかけていただくことしばしば。というわけで、「その2」を書くことになりました。
 あれから半年、フラメンコの腕前は日々上昇(笑)、発表会があったり、ミニコンサート出演が決定したり、ボランティアの依頼が愛媛から届き、初の海外遠征(?)を秋に計画中だったりで、忙しい毎日を送っています。
 さて今回は、習い事には欠かせない「先生」のことを書いてみたいと思います。私の通っているフラメンコ教室にはたくさんの先生がいらっしゃいます。各々個性的な先生で、教え方もさまざまです。というのも、フラメンコというのはもともとスペイン南部で古くから踊られているもので、リズムや構成など細かい決まりはあるのだけれど、そこにとらわれず、大切にしたうえで個性を出していい踊りなのです! そして、それこそがフラメンコの難しさなのです。主催者のU先生は関西(いや、日本中)で有名なフラメンコのバイラオーラで、私は10年くらい前から習っています。そして、その教え方も関西ではちょっと有名なのです。
 私たちはレッスン中音声だけ録音し、帰ってからそれを何度も聞きながら復習するのですが、聞いてびっくり! 「そこ!」「ちがう!」「〇〇さん!」と大きな先生の声が…。そうなんです、怖いんです(笑)。
 レッスン中は緊張していますし、言われたことを改善しようと必死なのですが、帰って録音を聞くとこれだけ怒られていたのかと少し引いてしまいます。不思議なことに、注意されたことを一生懸命練習して、「これでどうや」とばかりに次のレッスンに行ったときに限って、目をつけられ「〇〇さん!」を連呼され、次の悪いところを指摘されます。
 U先生はたくさんの生徒さんをもっていますが、きっと一人ひとりをよく見ていて、前回どこが悪かったのか、そしてこの1週間にどれだけ練習してきたかが、なぜか解るのだと思います。
 私もひとりの開業医として、患者さんと向き合うとき、この姿勢を大切にしていきたいと思っています。

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