森岡 稔勝(綴喜)
私の趣味は、健康的でかつ天候にかかわらず一年中楽しめるようにアウトドアとインドアに一つずつあります。銷夏しょうか特集号の原稿依頼を受け、銷は、暑さをしのぐという意味らしいので暑いアウトドアのゴルフの話は置いといてインドアのお話を致します。
もう10年も前のこと、高校生だった娘が「ギターがほしい」と言いだし、ギター教室に通うことを条件に買うことになりました。便乗して、「俺もやってみようかなぁ」と始めたのがきっかけのアコースティックギターです。平日、休診日の水曜日、夜8時から1時間のレッスンです。師匠は、京都発のインストゥルメンタルユニット、ジュスカ・グランペールのギタリスト高井博章さんです。
師匠いわく「ギターストロークはすぐにできるようになるのでフィンガー・ピッキングといって、ピックを使わず、指先と爪を使って弾く奏法をやりましょう」でした。毎回、新しい譜面になるたびに、私が弾くとポロン、ポロンと壊れたオルゴールのような爪弾きではじまり、なんとなくメロディーになるにはすっごく時間がかかります。最近は、グループレッスンでありながらマンツーマンの指導です。仕事の都合で来れなくなった方、曜日変更された方などあり1時間が大変長く感じることもあります。でも、メリットもあります。じっくり、ゆっくり教えてもらえることと音楽業界のリアルな話が聞けること、また、師匠はサービス精神が旺盛なため、オリジナル曲を生で聴けるお得感もあります。
デメリットとすれば、翌週までの課題が間に合わずにプレッシャーになることです。診察が忙しい週は、帰宅してすぐにビールをプシュ、一杯飲むともう無理。そこで練習せずに迎えたレッスン当日、あみだしたコメントが「今日はリハビリに参りました(笑)」でした。師匠も苦笑いしながら「さぁー、今日はどこからやりましょうか」と、こちらの都合も察していただける大人の音楽レッスンです。
最初の頃は、ついつい口を突いて出る言葉は、いつも「むずかしいなぁ」でした。ある時、こんなエピソードがありました。
「森岡さん、難しいって言っちゃだめですよ。楽しいって言って下さい。言葉には言霊があるのでマイナスな言葉では上達しませんし、体にも悪いですよ。すみません、一応、神社の息子ですので(笑)」。
物の本によれば、人の意識には無意識の潜在意識の領域があって膨大な情報が組み込まれています。その情報につなぐのが言葉だそうです。だから、どんな言葉を使うかで人の「思ったことを起こせる力」も違ってくるのだそうです。なるほど、自分が出す言葉で自分を追い込んだり、落ち込んだらあかんなぁ。「昨日よりちょっとできるようになった」。コントロールできる自分に向き合って、人と自分を比べるのをやめようと思いました。
今日もギターの音色は最高! まず、やってみる。そして、「毎日を楽しく気楽に!」を心がけています。