宇治久世医師会と懇談
1月14日 うじ安心館3Fホール
終末期医療・地域包括ケアで意見交換
協会は1月14日、宇治久世医師会との懇談会を開催した。地区から18人、協会から10人が出席し、宇治久世医師会副会長の伊勢村卓司氏の司会で開会。冒頭、宇治久世医師会会長の土井邦紘氏より「去年の病床機能報告制度をはじめとした診療報酬改定は、難しい問題を次々と投げかけてきた。忌憚ない意見交換を行いたい」とあいさつ。続いて、垣田理事長があいさつし、各部会の担当理事から各部会の報告後に、意見交換を行った。
意見交換の中では、2025年の医療提供体制に向けた国の在宅推進の政策が話題となった。地区より「外来で診ている慢性疾患の患者さんが病院で死亡したことを聞くことが多い。在宅で看取ることも必要だが、高齢者が多くなれば病院で亡くなることも増えてくるのではないか」「入院から1週間経過した患者をいかにして川下に送り出していくかが、国が示している医療・介護提供体制だが、現状は反対の方向にある病院もある」(注)「大きな構図(2025年に向けての医療提供体制)の中で病院の医師は何をすべきか、在宅の医師は、ケアマネは、何をすべきかを考えていかなければならない」などの意見が出された。これに対して協会より「国は在宅推進の政策だが、最後は病院で亡くなりたいという患者・家族は多い。国は終末期医療を病院で行うと医療費が高騰するとしているが決してそうではない。病診連携の取り組み強化が求められている」と述べた。
また、地区から「包括ケアと言いながら他人任せの政策である。看取りという概念、死生観が社会の中でまとまっていないのに『在宅医療』と言っている行政に疑問を持つ」などの意見が出された。これに対して協会は「地域包括ケアの構築に必ずしも反対ということではないが、現場の医療を支えている開業医の声が十分に届いているとは思えない。ケアが中心に据えられた地域包括ケアシステムとなるよう、今後も取り組みたい」。さらに「これからは自治体との連携も重要になり、地区医師会が自治体と患者をつなぐ役割を担う必要もある」と述べた。
懇談会ではその他、最近の医師の資質等についての意見交換をもって、閉会した。
(注)地区からの補記:「現状は反対であるように思う」…でなく、その方向に向かっている。開業医は今後、手のかかる重症例も抱えなければならなくなり大変になると思われる。すでに治療方針が立てば大病院では短期で患者を退院させ始めている(介護難民の増加)。確かに「慢性期」を狙っている病院では「囲い込み」も行っているが、ここにもやはり、高い逆紹介率が要求され、今後の課題であると思う。