医界寸評  PDF

医界寸評

 とうとう憲法改正(改悪?)への国民投票の日程が表に出てきた。憲法改正、とりわけ9条については、世論調査と国会議員の意見の食い違いが大きいように思われる。安倍政権は今が有利と見越して、「アベノミクス解散」と突如衆議院を解散。経済政策の評価を問うと言い、他の公約にはあまり触れないままで、選挙が終われば、公約全てが認められたと突き進もうとしている▼武器輸出三原則は、当時の三木首相の強い意向によりでき、事実上の全面禁輸となったという。人殺しの道具を売って他国からお金を得るということをせず、直接的にも間接的にも他国民を殺すことなく、今まで我が国は来られた。今も世界のあちこちで起こっている紛争で使われている武器は、それを造って売った国が、間接的にそこの一般市民をも含む幾多の人たちの命を奪っているのである。そして、その武器は、それを造った国の人にも向かうかもしれない▼武器輸出三原則は、安倍内閣により葬り去られ、防衛装備移転三原則となった。経済白書の「もはや戦前ではない」は、荒廃した経済が立ち直ったことを謳ったものだが、首相の「戦後以来の…」は、戦前になったと言っているように聞こえてならない。人殺しの国への第一歩とならないことを祈らずにいられない。そして、憲法9条が無事でありますように。(門雀庵)

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