税務調査・確定申告の状況について税理士と懇談
協会は10月18日に協会事業に協力いただいている5人の税理士と懇談し、?11年3月(10年分)確定申告の状況、?11年度税務調査の動向、?最近の雇用問題にかかるトラブルの動向を中心に意見交換した。当日報告された概要は以下の通り。
10年分確定申告の状況から見た顧問先の経営状況は、個人・法人含めて4%前後収入が減少している。国保収入が増加し、基金からの収入が減少したことで源泉徴収額が減少し、結果的に確定申告後の予定納税額や第三期納税額が増加しているところがある。
ヒブ・肺炎球菌・子宮頸がんワクチンの公費負担化により、自由診療収入による所得が増加している。そのため、小児科で消費税課税事業者となるところがある。産婦人科では健診の補助金によるものか所得は伸びている。
11年度の税務調査は全体として多くはないが、個人診療所で自費収入の多い小児科が対象になっている。
調査では現金管理や自費収入の流れを調べられ、自動販売機の収入の計上漏れも見ている。経費では、車両関連で家事使用との按分や、ゴルフでの飲食代がいかに事業と関係しているかが調査対象となった。
最近の雇用問題にかかるトラブルでは、解雇を巡るものが多くなっている。あっせんや労働審判にまで発展するケースもある。
労働基準監督署の調査は増加傾向にあり、医療機関は全事業所数から考えると多く調査に当たっているようである。残業手当の計算が間違っていたため、6カ月遡っての是正命令を受けたところもある。
有給休暇や育児休業はパート職員も取得できる事業所が増えている。法律上当然の権利であるため、少しずつ一般化してきている。
また、年金事務所から、適切に年金に加入しているかの確認も増加している。医師国保の準組合員の保険料が高くなり、給料を上げるかどうか検討し、スタッフ全員が協会けんぽに移管したところがあった。
その他、国税通則法の改正について意見交換するとともに、下半期での経営・税務関係のセミナー開催について協力を求めた。