数多の原発関連書籍の中から  PDF

数多の原発関連書籍の中から

『原発のウソ』小出裕章著、扶桑社740円
『原発のウソ』小出裕章著、扶桑社740円

 原発関連書籍は多数あるが、ここでは3月の福島原発事故以降に出版されたものからいくつか、書名や目次などを紹介する。

 (1)『原発のウソ』京都大学原子炉実験所助教・小出裕章、扶桑社(新書182頁・740円)/福島第一原発はこれからどうなるか/「放射能」とはどういうものか/放射能汚染から身を守るには/原発の“常識”は非常識/原子力は「未来のエネルギー」か?/地震列島・日本に原発を建ててはいけない/原子力に未来はない

 (2)『福島原発メルトダウン』広瀬隆、朝日新聞出版(新書238頁・740円)/原発震災がまた襲って来る/津波に暴かれた人災/東電・メディアに隠された真実/放射能との長期戦/巨大地震の激動期に入った日本/「浜岡原発」破局の恐怖/活断層におびえる「原発列島/完全崩壊した日本の原子力政策

 (3)『福島原発の真実』元福島県知事・佐藤栄佐久、平凡社(新書253頁・740円)/事故は隠されていた/まぼろしの核燃料サイクル/安全神話の失墜/核燃料税の攻防/国との全面対決/握りつぶされて内部告発/大停電が来る/「日本病」と原発政策/止まらない内部告発

 (4)『福島原発事故』立命館大学名誉教授・安斉育郎、かもがわ出版(単行本175頁・1500円)/福島原発事故による放射能災害/放射線による被曝とは何か/原発の何が問題なのか/どうする、日本の原発政策/生き来し方を振り替えって

 (5)『福島原発事故はなぜ起きたか』東京大学名誉教授・井野博満ほか、藤原書店(単行本219頁・1800円)/福島原発事故の原因と結果/福島原発で何が起こったのか/放射線被曝の考え方

 いずれも特色のある書籍で選択に迷うが、選択の一助として筆者の主な職業に着目すれば、(1)反原発を訴え続ける原子力の専門家、(2)『東京に原発を』などを執筆したジャーナリスト、(3)福島で原発に関わった政治家、(4)立命館平和ミュージアム名誉館長でもある放射線防御学者、(5)科学・技術と社会の関係に関心を持つ科学者・技術者。あえて1冊をといわれれば、うーん、20万部のベストセラーになったという、(1)かなあ。(7月23日記)

(下京西部・飯田哲夫)

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