シリーズ環境問題を考える(102)  PDF

シリーズ環境問題を考える(102)

ほたる族にご用心!?

 戸外やベランダでタバコを吸う人達のことを、暗闇で光る蛍(ホタル)になぞらえて、「ほたる族」と呼びます。タバコを吸い込むと煌々と光を増す姿は、まるで蛍そのものです。

 この光景は一見、タバコの煙から家族を守っているようで、微笑ましくもありますが、その実際はどうでしょうか? 最近、“三次喫煙”という受動喫煙の概念が生まれました。

 喫煙によって衣服や髪の毛、カーテンやカーペットをはじめ、室内のあらゆるものに付着した“残留タバコ成分”による受動喫煙です。また、喫煙後しばらくは呼気からタバコ煙(タバコ成分)が排出されます。タバコ臭いと感じたら、これはもう立派な受動喫煙です。

 タバコの煙は、喫煙者が吸い込む“主流煙”、タバコの先端から立ち昇る“副流煙”と喫煙者が吐きだした“呼出煙”に分類され、副流煙と呼出煙を合わせて“環境タバコ煙(ETS)”になります。“ほたる行為”は衣服などに付着した残留タバコ成分による“三次喫煙”および“呼出煙”による受動喫煙の害を周囲の人に与えます。喫煙ルームでの喫煙も同様に“時間差受動喫煙”を周囲にもたらします。チューイング・ガムやうがいで口中のタバコ臭をごまかしても、効果はありません。厚労省も局長通達で職場での受動喫煙防止を勧告、県受動喫煙防止条例を施行した神奈川県など、喫煙に関して厳しい状況になってきました。

 京都市も、四条・三条・烏丸・河原町と路上喫煙禁止区域が通り“(線)”でしたが、中の地域(面)での規制になりました。これを機に禁煙しませんか?

(NPO法人京都禁煙推進研究会・歯科部会事務担当・森 忠昭)

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