私の旅行記 オプショナルツアー 「悠久の『ひなた』みやざき」巡り 宇田 憲司(宇治久世)  PDF

 この暫く、新型コロナウイルス感染症蔓延のため、飛行機は飛ばず海外旅行にも行けず、せいぜい近隣府県での短期間の遺跡・寺院巡りの小旅行であった。会議も講演会もウェブ開催が増え、旧知とのFace to faceでの再会・遭遇もかなり減った。自宅研修・待機が増え、自ずとストレスが溜まって鬱的気分となる。
 この10月連休に日本臨床整形外科学会の会員親睦研修会・宮崎に参加でき、永六輔作詩の「君ーは、今日からー妻という名の僕の恋人…」の「フェニックスハネムーン」(いずみたく作曲・デューク・エイセス歌)で有名な宮崎での新婚旅行ならぬ高齢者二人旅で参加した。
 2019年に広島で研修会があり、次の年に予定の宮崎は、上記感染症蔓延で中止・延期の3年振りとなった。理事長・会員諸氏のご夫妻ともFace to faceの再会で、感激の一時であった。それに次回は北海道、次々回は京都で、今回は様子見と我らが実行委員の先生方とも多く参加できた。
 バスの中で、「宮崎はどうですか?」「初めてですか?」と尋ねられた。高千穂は初めてで、何せ阿蘇火山活動により形成された霊峰二上山に天照大御神の皇孫ニニギノミコトが降臨され、稲穂を散布して明るくなった所故に高千穂と名付けられたとか。川下りもして穀霊を散布して豊かな土地となり、その後3代にわたり充実させ、4代目はその父親同様、鵜戸で誕生のワカミケヌなる神武天皇が東方へも治政開始となった。高千穂峡では遊歩道を下り、その岩水はとても感動的な渓谷の景色で、夕刻には高千穂神社でスサノオノミコトの暴動から、天岩戸に籠られた天照大御神を取り戻そうとの夜神楽の岩戸神楽の舞いが迫力満点で、これも初めて、大満足であった(写真1)。
 今回のオプショナルツアーでは霊的スポットが多く、ウガヤフキアエズノミコトが生まれた鵜戸神宮の海岸縁には、お産に豊玉姫を乗せて来た亀とされる岩盤がある。その背部の穴窪に「運」の字を刻んだ素焼きの「運玉」を男は左手で女は右手で、願いを込めて投げて入いると願いが叶うとされる。自分もまず5個もらい「心身の老化進行防止を!」と祈って左手で投げたが、すくい投げしたためか、穴窪の周りのしめ縄の範囲内にも届かず浪費した。旅行社の添乗員の人がもう3個くれ、自分のことばかりでは叶えられまいと考え直し、今度は「天皇陛下のお言葉のように、国民が幸せで、世界が平和でありますように!」と大きい声で唱え、方向だけ定めて上の方に投げたところ、不思議にもその穴窪の中に命中した(写真2)。医師たるもの、自分の接する患者さん、国民のことを第一に思って診療すべきことと同じだと気付き直したもので、これで世界は平和になると気分良く帰洛した。大いにお勧めしたいコースであった。

(写真1)迫力の岩戸神楽
(写真2)亀岩の前にて2人で

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