シリーズ 環境問題を考える 139  PDF

もう勘弁して下さい…

 年始早々の台風発生(1月3日)、福井北部で1500台もの車が立ち往生し、死者まで出た北陸大豪雪(2月6日~)に代表される寒冬、打って変わって3月以降の異常暖春、等々に始まった今年の異常気象・天災でしたが、さらに大阪北部地震(6月18日)が発生し、また関東甲信では最速の梅雨明け(6月29日)も、気流は安定せず西日本のほぼ全域が、気象災害では平成最多の犠牲者(死者・行方不明237人)を出してしまった同時広域多発的集中豪雨に襲われました。
 そして梅雨明け後には、経験則の通用しない東から西の逆走台風(12号、7月28日~29日)を挟み、8月中旬までの記録的猛暑(最高気温は京都39・8度、熊谷41・2度)、北海道では逆に観測史上最も早い冠雪(大雪山8月19日)と枚挙に暇がありません。
 その後も残酷暑、台風20号(8月23日~24日)、再び残酷暑と続き、20数年ぶりに非常に強い勢力(最大風速45m~54m)のまま京阪神にとって最悪のコースで襲来した台風21号(9月4日)で、過去最大級の高潮・強風により近畿圏に多大な被害をもたらしました。我が家も瓦は飛ばされ、土蔵の漆喰の白壁がはがされ、大損害をこうむりました。近くの神社も大木がなぎ倒され、本殿・拝殿・神輿蔵・狛犬などが破壊され凄惨な状況となってしまいました。氏子の我々には寄付要請がくるでしょうなあ…。
 しかし、これすらもとどめにはならず、北海道胆振地震(9月6日)、そして月末には再び非常に強い勢力で和歌山に上陸、日本列島を縦断した台風24号(9月30日)、これで京都市では記録にない、年に4回の台風による暴風雨圏突入となりました。幸運にも台風の可航半円に入ったため、21号ほどではありませんでしたが、21号で破損した屋根に掛けていたブルーシートが飛ばされ補修に苦心しました。危険半円に入った東海や首都圏の大混乱は言うまでもないでしょう。そしてさらにさらに台風25号(10月6日~7日)が沖縄経由で韓国南部を直撃、九州北部を中心に日本全国で強風が吹き荒れました。
 神様・仏様、もう勘弁して下さい…。
 また災害列島・日本の話ではありませんが、この間に台風23号は猛烈な勢力でフィリピン北部に上陸、さらに非常に強い勢力で香港を襲いました。同じ頃にはアメリカ大西洋側にも大型ハリケーンが来襲し、これらの国に甚大な被害を与えています。
 やはり短期的には地球温暖化による気象災害の増加は否定できないものと考えます。
 世界的にも氷河の後退や氷河湖の決壊、永久凍土の融解による温室効果ガス・メタンなどの大気中への放出。南極やグリーンランドの氷床の融解による海水塩分濃度の局所的低下、これを受けて深層海流の停滞・変化、そして地球気象への影響などが取りざたされています。
 太陽活動の低下により地球は寒冷化に進むとする意見(中世に見られた小氷期)もありますし、世界のどこかで1カ所でも巨大カルデラ噴火(破局噴火)が起きたり、考えたくもありませんが全面核戦争起こってしまえば寒冷化に向かうのは確実でしょう…。
 我々にできることはあまりなさそうですが、心配の種は尽きません、嗚呼。
(環境対策委員会 委員長 武田 信英)

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