私の趣味 スーパー銭湯めぐり  PDF

山口 泰司(相楽)

 十数年前に開業医になってからは趣味に費やせる時間と体力が乏しくなり、四十歳代後半の時に、①自分の都合の良い時間帯に短時間でできる②実益を兼ねている③体に悪くない(むしろ体に良い)④他人や社会に迷惑をかけない⑤大してお金がかからない という条件を満たす趣味がないものかと考えた結果、出た答えが「スーパー銭湯」でした。平凡だと思われるかもしれませんが、その気になれば結構楽しめます。
 ウィキペディアによると「スーパー銭湯」とは、「日本における公衆浴場の一種であり、銭湯の形態の一つ。公衆浴場法および各都道府県の公衆浴場条例上では物価統制令の制限を受けない『その他の公衆浴場』に分類され、施設規模や利用料金は銭湯と健康ランドの中間的存在である。また、日帰り入浴施設に含まれる」とのこと。
 普段なかなか宿泊温泉旅行に行けない、行っても在宅患者急変時にすぐ現場に戻れない、という心配がある中で、「スーパー銭湯」だと車で片道1時間ほどの距離に数カ所あるし、入浴料も数百円から高くても2千円ほど、岩盤浴を含めても3千円以内に収まります。
 通常「スーパー銭湯」では内湯と外湯(いわゆる「露天風呂」)があります。「つぼ湯」は大人1人がドップリ浸かれますが、1人しか入れないので混み合っているときは長時間独占しないのがマナーです。大抵はサウナもあり、中には「ミストサウナ」と称して、サウナルームが水蒸気で満たされているものもあります。冬の乾燥肌や気管支が乾燥してガサついているときは、このミストサウナで潤されます(個人の感想です)。
 時間と財布が許せば、併設の食堂で食事をするのも一興です。風呂上がりの他のお客さんを眺めながら、ゆっくり食事をする。車を運転しなくてよいならビールも最高で、プチ温泉旅行の疑似体験とも言えましょう。庶民的な趣味として皆様も「スーパー銭湯」、如何でしょうか。

 COI(利益相反):筆者は銭湯業に関わる個別の業者および団体との利害関係は一切ございません(笑)。

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