私の趣味 ワインの面白さ  PDF

佐野 統(宇治久世)

 私は今年の3月まで兵庫医科大学リウマチ・膠原病科の主任教授をしておりました。大学教授の中にはワインをお好きな、詳しい先生がたくさんおられます。2年前の1月に仲の良い筑波大学内科の住田教授ご夫妻を私の家に招待し、おもてなしをすることになりました。その教授は日本リウマチ学会理事、日本シェーグレン症候群学会理事長などを歴任された著名な先生であり、ワインが大好きな先生です。
 私、お酒は好きですが、ワインの知識は全くなく、ワインとは大変難しい飲み物という印象でした。そこで、数冊の本を買い、ワインを知るために勉強を開始しました。原産国、銘柄、価格、味わいなどを知り、ワインの壁に直面しました。赤、白、ロゼなどの色分け、生産国の違い、値段の違い、味の違い(甘い、辛い、重い、軽いなど)、さらに銘柄の数だけ種類があることを知りました。大学の帰りに、梅田の阪神百貨店に立ち寄り、ワインコーナーのソムリエさんにお話を聞いたり、試飲したりして、数本買って味比べを致しました。また、五大シャトーの有名なワインが一本ほしくなり、ついには30本入りのワインセラーを買って保存することにしました。ワインの種類別のグラスを用意しました。レストランでもワインを注文し、内容の説明を聞くようになりました。徐々に、ワインの味の違い、料理によって味が変わること、ビンテージワインの飲み頃、味が異なることなどワインの奥深さに魅せられました。ワインの名前を覚えるように、飲んだワインのラベルを保存するようにしました。
 そのうち、ワイン好きの先生方と話ができるようになり、一緒に学会中に行ったワインバーでワイン談義をするようになりました。尊敬する日本リウマチ学会の山本理事長も留学中にドイツのワイン学校に通われ、資格を持っておられます。ワインのことが分かるようになると、今までいただいたワインの中にとんでもなく高価なものがあったことを思い出しました。それは、数年前に神戸でリウマチクリニックをされている先生にいただいたカリフォルニア州ナパ郡にあるワイナリーで作っているオーパスワン[作品番号一番という意味]という赤ワインです。
 私は不覚にも、そんな貴重なワインを教授室の本箱の中に置いていました。夏は暑く、冬は寒い環境で高価なワインを保存していたことを恥ずかしく思いました。早速、ワインセラーに移しましたが、味が変わっていないか心配しています。
 何とか直前の勉強で住田先生ご夫妻には、私が選んだ赤、白ワインをお出しし、家内の料理と合わせて、大変喜んでいただきほっとしました。今は住田先生に感謝しながら、世界各国のワインを楽しんでおります。

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