開業準備は医師が主体的に 開業医の先輩、専門家がアドバイス  PDF

 協会は、新規開業を考えている勤務医を対象に「新規開業予定者のための講習会」を4月22日に開催した。共催は有限会社アミス。1講目の「銀行融資を受ける際の留意点―資金計画・事業計画の立て方・審査のポイント―」を京都銀行営業本部法人コンサルティング室の西村勇輝氏、2講目の「初めが肝心!スタッフ雇用の留意点」をひろせ税理士法人特定社会保険労務士の河原義徳氏、3講目は、先輩開業医からのアドバイスとして医療法人新田クリニック院長の新田昌稔氏(綴喜)を講師に迎えた。
 融資を受けるにあたっての資金計画について、西村氏は「現在は、開業をすれば収入が必ず増える時代ではない。開業をしても、軌道に乗らず、勤務医に戻るケースもある。最初はなるべく資金面では無理をしないこと。銀行としてもリスクが少ないと融資審査が通りやすくなる」とアドバイスした。
 また、事業計画について、「開業=事業主になるということ。事業計画は業者任せではなく、医師自身もしっかり把握することが重要」と強調した。最後に開業地の選定のポイントについても触れ、「開業地については、地縁があるのとないのとでは大きく違う。人の流れや、地域の特性を知っておく必要がある。周辺の既存の医療機関だけでなく、今後の開業情報も把握した方がよい」と述べた。
 次に河原氏は、スタッフの雇用にあたって「医師自身がやるべきこととスタッフ等がやるべきことをしっかりと棲み分けをした上で、どれだけの人員が必要なのかを考える」ことが大前提。募集活動についても「勤務開始日からの逆算(曖昧に何カ月前ではなく)をしっかりすること。募集活動は、早すぎるのも良くない。採用日から開業日までに期間があると、その間に別の仕事が決まることもある」と注意を促した。
 面接については「勤務時間や給与額、身だしなみ等、自院の考え方を面接の段階でしっかりと相手に伝えておくこと。採用後の後出しは厳禁」と述べた。

第三者継承の体験談語る

 先輩開業医として新田氏は、開業するにあたって、「開業支援業者はたくさんあるが、抜けが多いこともある。業者任せではなく、必ず自分自身でも見て・聞いて・調査することが大事」とアドバイスした。また、第三者継承で開業した自身の体験から、第三者継承のメリットとして「資金面で無理をしなくて良いことと、事業計画を立てやすいこと。また、患者さんや地区医師会等の周りの方たちとの関係も引き継げることがとても大きい」と語った。
 最後に、地区医師会への入会と協会共済制度について説明した後、参加者からの個々の質問等に対応し、講習会を終了した。参加者からは「非常に勉強になった」等の感想をいただいた。

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