私の趣味 私のドライブコース 近畿北部編  PDF

廣瀬俊太(乙訓)

前回は国道166号線(旧伊勢街道)について書きましたが、今回は近畿北部の303号線とその周辺について記してみたいと思います。
この道は以前は細い山道で上り下りがひどく、私なりに10指に入れたくなるような悪路でしたが、今では見違えるような立派な道になっています。この道は滋賀県木之本より岐阜市に通じています。木之本を出るとすぐ金居原方面行きの交差点に出ます。そのまま進むとトンネルを経て人家のまとまった杉本の集落に達しますが、この辺の風景は典型的な里山の情景です。
村落を流れる杉野川に沿ってさらに進むと、左側の小高い広場に道の駅ならぬ山の駅のこじんまりとした建物が見えてきます。春先には山菜あるいはその加工品などが並びます。中でもわさびの茎は珍品です。残念なことに月に2~3回、それも偶数回目の日曜日しか開いていません。
さらに進み八草トンネルを抜けると岐阜県に入りますが、風景は一変します。このトンネルは分水嶺のちょうど真下にあり、山の東北面は揖斐川の源流になります。流れの途中にある夜叉ヶ池は有名ですが、駐車場から徒歩30分以上はあるとのことです。滋賀県側の木立の大部分は杉、檜等の人工林が主ですが、岐阜県側では楢、櫟等の広葉落葉樹が河岸から山頂まで繁っており、やや北国的風景です。
さらに進むと揖斐川町を経て池田町や岐阜市に達しますが、途中で引き返すこともあります。303号線へ入るにはよく湖西線を通りますが、終点近くの追坂峠、あるいはさらに進んで国境高原スノーパーク付近では、初夏に咲き乱れる卯の花を見ることができます。国道303号線付近で最も気に入ったのは初夏の麦秋の様子です。
前述の金居原方面に向かう交差点を右折し、関ヶ原の方向に進むと広い麦畑に出会います。戦後長らく麦はあまり作られず、あってもほとんど大麦でしたが、ここでは畑一面に小麦が植えられ、茶褐色に穂が輝いているのを見たときは懐かしい思いに浸りました。

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