私の趣味 茶の湯のお稽古とお道具  PDF

西山昭嗣(福知山)

あなたの趣味は何ですかと聞かれても、ふと考え込んでしまうほど、無趣味であり、人様にお話する程のものはありません。強いていえば、この20年余り続けている、茶の湯のお稽古でしょうか。お稽古は「稽古今照」といわれ、稽古…古きを考え、今に照らして工夫せよということらしいです。
茶の湯といえば第一に、皆様の頭に浮かぶのは、堅苦しいお作法のことではないでしょうか。それはさておき、茶の湯で使われる、お道具、なかでも「お棚」についてお話しいたします。裏千家で使用される、棚は60種類以上あります。今回はそのうちの一つ、桑小卓(くわこじょくと読みます、舌を噛みそうです)について紹介いたします。棚の扱い方は、台子や長板の親戚みたいなもので、何も使わない、平点前とくらべて少し複雑になります。通常、棚の名前は「…棚」と命名されているのですが、なかでも卓という名がついているものは7種類くらいあります。元来は床の間に置いて、香炉や花入を飾る台のことをいうそうです。その歴史は古く、裏千家4世、仙雙宗室(現在は16世ですから400年程前)が考案したとされます。材料となる木地は桑で、これは硬くて細工がしにくいそうです。昔は今と違い、道具屋さんもなく、棚は勿論、他の道具も別の用途で使用しているものを茶道具として転用して用いたり、自分で工作して作り出すより他に求める方法がなかった時代です。現在は有り難いことに、道具屋でお金さえ払えば、簡単に求めることができるようになりました。
次に、棚の構造についてお話しします。天、中、下板の3枚の平板で三段を作ります。周囲を4本の細い柱が支え、中板と下板の間が狭くなっています。ここに平建水と呼ばれる、使用後の水を捨てる金ざらいを入れておくのです。そしてこの最下段の四方の柱は聖足になっています。このお手前は四季を通じてできるのですが、特に5月の節句頃に好まれて行われます。というのは、足の部分の聖足を節句の矢羽根に見立てるからです。
その他このお手前には使用する道具が色々あります。例えば水指、棗、柄杓、蓋おきなどをこの棚にバランス良く飾って楽しむ? 訳です。お稽古をしていると何となく、「お宅」だなーという気がしないわけでもありません。しかし、一旦、釜をかけて、茶会を開く段になると、当人は一転して、亭主の気分になり、道具達も色合わせよろしく、何らかのストーリーを語るようにもっていきます。お客様とともに一座建立、一期一会が完成するのです。
以上、理解しにくい点が多く、またそれを無理に説明したようでもあり、甚だ恐縮しております。
最近手に入れました、桑木卓と道具達を参考として写真にとっておきました。写真では水指として細水指をおいています。本当はオランダ水指寄口という、これよりも縦の寸法が少し短めのものを使用するのが決まりです。
この情報から少しでも茶の湯に関心を持っていただければ幸甚に存じます。

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