浜岡原発再稼働許さない!公害視察会で各団体と交流  PDF

 保団連公害視察会が9月17、18日の2日間で開催された。出席者は43人。視察場所は中部電力浜岡原子力発電所で、敷地内に設置された海抜22メートルの防波壁等の見学を行った。
 視察1日目は、静岡県静岡市の静岡労政会館で、弁護士であり浜岡原発訴訟弁護団事務局長の阿部浩基氏を講師に、「浜岡原発永久停止訴訟と情勢」と題した講演会を開催。阿部氏は、実際には正確な地震動を予期できないにもかかわらず、南海トラフのプレート境界線に位置する浜岡原発を再稼働させようとするなどもってのほかだと指摘。
 また、原子力発電では、①異常運転や故障の検知②異常運転の制御と故障の検知③設計基準内への事故の制御④過酷なプラント状態の制御⑤放射性物質の大規模な放出による放射線影響緩和―の5層に分かれる深層防護(IAEA分類)について、各層の間に優先劣後の関係は存在せず、各層が互いに依存することなく独立しているべきであるとされている。
 日本は第5層で規定されている避難計画が原子力事業者の任務ではなく、行政の役割とされており、新規制基準にも入ってない。阿部氏はこの点について、具体的なことは自治体に丸投げだと非難した。
 視察2日目は、浜岡原発を視察。浜岡原子力館(PR館)で、中電スタッフから原寸大の原子炉模型を前に説明を受けたのち、展望台より浜岡原発敷地内を一望。中電スタッフの説明が終了すると、原発住民運動静岡連絡会事務長の岡村哲志氏があらためて原子炉模型前で解説。現在、浜岡原発では防波壁を新設し、それをもって津波対策は万全だとしているが、すぐ横を流れる新野川からの浸水には無防備であることなど、問題点について解説した。その後、海岸から各号機と防波壁などを確認した。
 続いて、日本から原発をなくす静岡県連絡会代表の林克氏、原発住民運動静岡連絡会事務長の岡村哲志氏、御前崎市議会議員で浜岡原発の危険から住民を守る会の清水澄夫氏と交流会を開催。福島第一原発事故以降、駅前等で行われている脱原発デモへの参加が減少傾向にあり、御前崎市では特に、心中では原発に反対しながらもなかなか声を出せないという住民も多数いて、地元で組織する運動の難しさなどが語られた。参加者からは、浜岡原発は現在停止中だが、稼働中に出された温排水による海の生態系などへの影響などについて質問が出された。

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