介護学習会「どうする?どうなる?介護保険あなたの老後が危ない!」(主催:京都民主医療機関連合会、後援:京都府保険医協会)が6月29日に京都アスニーで開催された。講師の上野千鶴子氏(社会学者、東京大学名誉教授)は、介護保険制度は問題だらけで始まったが福祉の社会化の一歩となったと述べ、今後狙われる介護保険制度の改悪を押しとどめるために声を上げようと呼びかけた。当日は定員400人を超える参加者が詰めかけ、上野氏の講演に聞き入った。
上野氏は、医療保険の赤字補填のために創設された介護保険制度ではあるが、25年経ち、介護は家族だけの責任ではないという国民的合意が作られたのは福祉の社会化の巨大な一歩だとした。介護現場では経験値が蓄積されてスキルが上がり、今や地域医療において介護職がいなくては医師も看護師も働けないのが実態とした。一方で介護職の高齢化や低賃金、過去最多の訪問介護事業所の倒産などの問題を指摘。介護保険制度の改悪で自己負担割合の増加、要介護1・2の通所介護の介護保険外し、ケアプランの有料化などが狙われ、介護が家族に戻される(再家族化)懸念があると警鐘を鳴らした。
介護保険制度は高齢者だけのものではなく、若者にとっても高齢の親を人に任せられ、自身の老後に利用することになる制度だと強調。人とのつながりと運動で制度改悪は押しとどめられると述べ、「権利と制度は黙っていては向こうから歩いてこない。要求していくことが重要だ」とし、7月参院選での国民の投票行動に期待したいとした。