24年度の診療報酬改定はまさに財務省主導であった。直近3年間の全国約2万2千の医療法人の事業報告書を集計し、財務省「機動的調査」として発表。無床診療所の22年度経常利益率は8.8%と極めて良好で、他産業との比較から診療所単価を5.5%引き下げるべきと衝撃を与えた。結局、改定率は本体部分プラス0.88%で、内0.89%は職員のベースアップに利用されることになり、いろいろと物議を醸した▼協会は機動的調査対象の医療法人の事業報告書等を京都府から入手し、府内医療法人の経営実態を調査分析してみた▼京都の無床診療所の経常利益率はプラス8.2%と全国平均のプラス8.8%と比べると少し低い。大きく異なるのは有床診療所で全国平均でもプラス4.8%と低いが、京都はマイナス3%である。京都の有床診療所は産婦人科の割合が多く、コロナ支援金の恩恵が少なくマイナスの大きいところがさらに平均値を下げたと思われる▼興味深いのは府内の市町村別の経営状況で、人口も医療法人数も圧倒的に多い京都市が無床・有床問わず、収入、経常利益率ともに下位に位置している。財務省に使われそうなデータである。都道府県別のデータがあれば医師の多少と医療機関の経営との関係が分かるのではないか、見てみたいものだ。事務局にはご苦労様。(彦)
MENU