新規開業を考えている勤務医を対象に「新規開業を考える方の講習会」を5月19日に開催し、10人が参加した。
　廣井増生税理士事務所所長の廣井増生氏より「開業後一日も早く軌道に乗せるために〜事前準備で押さえておくべきこと〜」をテーマに講演。その後、余みんたく整形外科院長の余みんたく氏（伏見）より「勤務医から開業医へ〜5年目開業医からのアドバイス〜」と題して、開業時の経験などを話していただいた。
　廣井氏は立地選定の10ポイントを紹介し、「人通りに“時間差攻撃”が期待できるかにも注目してほしい。時間帯によって買い物客・通勤者・学生など、常に人が通っている状態がベスト。患者の利便性だけでなく、スタッフが確保しやすい立地かどうかも重要だ」と述べた。患者がクリニックを選ぶ際の重要視するポイントとして、医師に関する情報や他の患者からの評価を挙げ、「一人ひとりを丁寧に診察することが重要。1人の患者の後ろには5人の患者（家族、友人、知人等）がいる」とアドバイスした。その他にも、開業までのスケジュール・開業資金の調達方法・広告・スタッフの募集・採用など実例を交えながら詳説した。
　先輩開業医からのアドバイスとして余氏は、開業にあたって必要なものは「土地や建物、人脈、資金はもちろんだが、絶対に開業するという強い気持ちが必要」と述べた。開業場所に関しても「良い物件があれば開業するではなく、何年以内に開業すると決めて探さなければ良い物件は紹介してもらえない。診療圏調査等も大事だが、自分が好きな町で開業することが一番」とアドバイスした。参加者に向けて「開業後、ロケットスタートできれば良いが、少しずつ増患し、スタッフとともに慣れる時間を作る方が患者を含め幸せにつながると思う。増患も大切だが、安定したクリニックの運営が大事。皆さんの思い描いた開業医生活が実現することを祈念している」と締めくくった。
　最後に、曽我部理事が地区医師会への入会手続き、会員医師の経営と生活をサポートする保険医協会の各種共済制度や保険診療のサポートなどを説明した。参加者から「開業後の流れや課題が良く分かった」「勉強になった」との感想をいただいた。
　次回の講習会は、11月10日（日）に開催予定。