〈ステンドグラス〉葵祭 楼門に入る女人列(下鴨神社社務所西棟)写真・文 佐々木 義文・真弓(西陣)  PDF

 世界文化遺産に指定されている賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)(下鴨神社)といえば、誰もが京都三大祭の一つ葵祭を思い起こされることでしょう。
 作品は5月15日葵祭当日、御所から出発された斎王代ご一行の女人たちが鮮やかな装束をまとって神社楼門への入場シーンです。実際の社務所の中で一番大きな窓で、自動で中央から開く仕掛けです。
 賀茂御祖神社(下鴨神社)の新木宮司様より、第34回式年遷宮事業の社務所増築のすベての窓に、ステンドグラスで葵祭にまつわる情景を、とのご依頼を賜りました。
 最初に完成の西棟の5面の窓には、葵祭巡行の当日のシーン:花傘・牛車・斎王代・楼門への行列・女人列を、そして翌年完成の南棟の窓には、葵祭当日までの諸行事:流鏑馬・斎王代の禊の儀・切芝神事(東游び)・御蔭祭の4シーンをすべての窓ガラスにはめ込みました。約3年にわたる制作後、2020年12月18日には、新木宮司様により奉納式典と内覧会を執り行っていただき、新しくなった社務所に3日間で約200人のお客様をお招き下さいました。
 葵祭は、ここ3年間開催されていませんが、下鴨神社ではいつでもその日のシーンが色鮮やかに再現され、お祭りの情緒を味わっていただくことができます。このステンドグラスが多くの人々の目を楽しませ、またいつまでも愛される存在であってほしいと願っています。
 このような貴重な機会を与えて下さった新木宮司様、制作を手伝って下さったアトリエの皆様、そして主人の惜しみないサポートに心より感謝申し上げます。

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