目的と思いを明確によき“伴走者”と準備・運営を 新規開業を考える方のための講習会  PDF

 「新規開業を考える方のための講習会」を5月23日に開催し、勤務医5人が参加した。廣井増生税理士事務所所長の廣井増生氏より「新型コロナでここが変わった“新規開業”と“開業後の運営”」をテーマに講演。医療法人たなか医院院長の田中慎一郎氏(宇治久世)が開業時の経験などを話した。共催は有限会社アミス。

 廣井氏は、開業するにあたって「開業の目的をしっかり持つことが大事であり、何気なく開業される場合と熱い思いを持って開業されるのとでは、開業後の数字に大きな差が出る」。また「開業すると決めたら早い方が良い。開業された先生で開業を待って良かったと思う先生はいない。少しでも開業が怖いと思うなら絶対にすべきでない」と開業の目的と決断の大切さを述べた。コロナ禍での開業の特徴として「発熱患者の診療にあたって、待合室の広さの確保や隔離室の設置などが必要になる。その他にも自動精算機の導入や空調設備を増設する医療機関もあるなど、開業資金が増額傾向にある」と報告。患者の流れに関しては「夜診の患者が減っており、診療時間やスタッフの人員配置も考えないといけない」とアドバイスした。その他にも、開業までのスケジュール・開業資金の調達方法・スタッフの募集採用などを詳しく解説した。
 先輩開業医からのアドバイスとして田中氏は「一番大事なのは“開業しよう”と決断すること。決断したら迷わずに進むだけだ」と述べ、さらに「伴走者(配偶者、税理士等)が重要。1人では絶対に開業できない。伴走者を選定する上で大事にしたことは同じ方向を向いているかどうかだ」とアドバイスした。また、開業地に関しても「実際に足を運んで、駅周辺などその街の様子を見て回らないとわからないこともある」と述べた。
 最後に、曽我部理事より地区医師会への入会手続きと会員医師の経営と生活をサポートする保険医協会の各種共済制度などを説明した。講習会終了後は希望者による廣井氏との個別面談も実施した。参加者からは「開業に向けて大変分かりやすい、また実際のクリニックの先生からの貴重なお話が聴けて良かった」等の感想をいただいた。
 次回の新規開業を考える方のための講習会は、10月10日に開催(下記案内参照)。
 先輩開業医からのアドバイスは有限会社アミスのホームページ「新規開業支援」に収載されている。ぜひご覧いただきたい。

開業目的と決断の大切さ述べる廣井氏
開業経験語る田中氏

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