経過の見守り大切さを訴え 避難者集団健診を開催  PDF

 福島第一原発事故の被災者を対象に、協会と京都民医連、内部被曝から子どもを守る会・関西が実行委員会となって実施している避難者集団健診を12月2日、太子道診療所で開催。受診者は41人となった。協会からも健診医を派遣しており、北村裕展理事(西京)、環境対策委員の山本昭郎氏(下京西部)に協力いただいた。

 エコー判定結果は結節やのう胞なしのA1が7人(17・1%)、5・0㎜以下の結節や20・0㎜以下ののう胞が認められるA2が32人(78・0%)、5・1㎜以上の結節や20・1㎜以上ののう胞が認められるB判定が2人(4・9%)となった。前年のB判定2人は、結節の大きさが基準値以下だったものの所見により精密検査が必要との判断だったが、今回の2人はB判定基準の大きさの結節が発見された。
 年々A2判定の比率が上昇しており、その特徴は今回も同じだったが、年齢による変化が大きいと考えられる。ただちに2次検査を要するC判定はなかった。
 福島第一原発事故から8年が経過し、当時小学生だった子が今では高校生や大学生になった。子どもたちが自立するにつれ「当時を思い出したくない」「周りに健診を受けると伝えたくない」「部活を休みたくない」などの理由で健診から足が遠のいていると実行委員会に保護者からの声が寄せられている。また、住宅支援の打ち切り、福島への帰還支援で地元へ帰る人たちも多く、故郷に戻らずとも府外へ転居する人もいて、年々受診者が減少している。
 実行委員会は、受診者に健診の継続が大切と健診結果報告会で訴えるとともに、被災者への幅広い健診保障を求め自治体に継続して要請していく。

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