特定疾患療養管理料 対象外疾患で不満の声
協会は乙訓医師会との懇談会を12月3日に開催し、地区から13人、協会から5人が出席した。岩見達也理事の司会で進行。冒頭、平井幹二会長から、「産婦人科医として、日頃より、施設基準の届出の煩雑さや妊婦加算で戸惑っている。また、医師偏在対策としての医学部の地域枠や地元出身枠をめぐる国の討論の心配も尽きない。本日のテーマは多くの会員が疑問に感じているものであり、活発な議論を期待したい」とあいさつ。協会からは、各部会からの報告に加えて、「診療報酬不合理是正」「国が目指す地域医療提供体制と開業規制」について話題提供し、意見交換を行った。
診療報酬不合理是正に関して、地区からは睡眠薬長期処方の減算、眼科や産婦人科での特定疾患療養管理料の対象外疾患等で意見が出された。
睡眠薬長期処方で減算されない要件の確認の仕組みが確立していないため、協会は厚生労働省に対し取扱いを明確にするよう求め、回答を待っている段階と説明した。
特定疾患療養管理料の対象外疾患については多くの会員から不満の声があがっており、今回の懇談で出された意見も踏まえて改善運動に取り組んでいくとした。
国が目指す地域医療提供体制と開業規制について、乙訓地区ではすでに医療・介護連携に取り組んでいる中、国が進める在宅医療連携拠点事業にどのように関わっていくかとの課題が示された。
協会は、在宅医療連携拠点事業が国や自治体の一般会計ではなく、介護保険財源の枠組みで実施される点が最大の問題であり、国が地域の実情を無視して画一的に進めようとしていると説明した。さらに、医師数や病床数について、本来は地域の理想の医療に近づくために考えていくことが重要であり、国に対して地域の医師の声を届ける必要性を強調した。
その他、保険医としての保険診療に関する研修の重要性、消費税増税に伴う改定について等で意見交換を行った。
出席者18人で開催された乙訓医師会との懇談
宇治久世医師会と懇談
1月9日 うじ安心館ホール
偏在問題での開業規制議論を危惧
協会は、宇治久世医師会との懇談会を1月9日に開催。地区からは18人、協会から8人が出席した。増井明理事の司会で進行し、伊勢村卓司会長の開会あいさつ、続いて茨木理事長代行のあいさつの後、①各部会からの情報提供②診療報酬不合理是正③国が目指す地域医療提供体制と開業規制―について話題提供を行った。
診療報酬不合理是正での意見交換では、地区から「点数の引き上げを要求して増点されても、審査で減点・査定されたり集団的個別指導に当たれば、結局点数が上がっても『どうなんだ』と感じている」「汎用点数になったために、減点・査定されるようになった点数もある」「点数引き上げといっても加算ばかり」など、疑問点が多く出された。協会は「減点・査定については、疑義がある場合や納得がいかない場合、一つひとつ再審査請求を行い、納得のいく保険診療をしていくしかない」と回答。また、「最近の診療報酬改定は基本点数ではなく加算で対応している」と述べ、基本診療料の引き上げを要求していきたいとした。
国が目指す地域医療提供体制と開業規制での意見交換では、地区から「国は在宅医療の受け皿として地域包括ケアシステムを作り、病床の機能分化を推し進めている。今回さらに、医師偏在問題の対応策として自由開業制を崩すような提案がなされている。議論や決定の中に医師会が不在のまま、開業医に対する締め付けが強化されてきている」との意見が出され、協会は「自由開業規制ととれる提案は先日出されたばかりで、このような状況であることを知っている会員は少ないと思う。国の動きに遅れないようスピード感をもっていろいろな角度から運動を進めていきたい」と回答。また、地区から「政府が我々を規制しようとしているビッグデータはどこから手に入れているのか。そうしたデータに対しAIを活用することで政策提案のスピードがアップしたように思う。我々もAIとのたたかいとなる動きはないのか」などの意見が出された。協会は「次世代医療基盤法が成立し、レセプトデータをそのまま認定事業者(認定匿名加工医療情報作成事業者)に提供できることになっている。また、都合よくデータを作り始めることができる。狙いにより作れてしまい、非常に恐ろしい」とした。
最後に堀内房成副会長があいさつし、懇談会を終了した。