子ども医療ネットの運動で前進 府制度の通院1500円に  PDF

 京都府が子育て支援医療助成制度について、3歳~15歳における通院の月3000円負担を、9月から1500円に軽減することを1月25日に発表した。同制度のあり方を検討してきた府の会議が12月27日の第3回目に方針を打ち出したことを受けた市町村との調整を経ての結論で、2月議会に提案される。なお、新たに所得制限を設けることや高校生まで年齢を拡大することは見送られた。

なお低水準の京都市

 府内26市町村のうち15歳までの年齢で3000円負担を課しているのは、京都市が3歳から、亀岡市が小学生から、向日市・長岡京市・舞鶴市・大山崎町が中学生からの6自治体のみ。他はすでに独自の上乗せで負担なしが4自治体、200円負担が15自治体、福知山市が日500円負担となっている。すでに亀岡市が10月から200円負担にすることを表明しており、府と同時に発表した京都市の新制度注は3歳から月1500円負担の現物給付となる。
 府制度(図)はほぼ4年ごとに前進してきたが、3歳からの通院は07年から3000円負担のまま据え置かれてきた。特にこの低年齢層の要望が強いことに加えて、18年度から国が自治体の助成に課してきたペナルティを就学前に限って廃止したことを背景に、保険医協会などでつくる「子ども医療費無料制度を国と自治体に求める京都ネットワーク(子ども医療京都ネット)」が17年8月から運動を再開。京都市内の子育て世帯を調査し、負担による受診抑制の実態があるとした結果は京都新聞で大きく取り上げられ、さらに京都府・京都市それぞれに4千筆を超える署名を提出。4月の府知事選で候補者双方が公約に掲げるまでになり、今回の拡充につながった。

就学前の無料化は喫緊の課題!!

 この結果を受けて「子ども医療京都ネット」は、「府の拡充を歓迎するも無料化に向け一層の努力を」と求める声明を1月25日に発表。前進はしたものの、府内の子どもの半数を抱える京都市で依然1500円もの負担があり、特に手厚い助成が必要な就学前の負担としては近畿全府県で最も高いままにおかれることを指摘。西脇知事の唱える「子育て環境日本一」にふさわしい制度とするためには、京都府、京都市ともにもう一段の努力が必要だと求めた。

図 京都府の子育て支援医療助成制度の変遷

※表中の年齢区分「6歳」は満6歳に達する日以後の最初の3月31日まで
注)府制度の3歳~15歳通院は月1500円超額の償還払い。京都市は1医療機関当たり月1500円の現物給付のため、複数機関で1500円を超えた場合は償還が適用される。

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