私の趣味 私のお地蔵さん  PDF

八田 一郎(左京)

 私の散歩コースの、修学院離宮の近くの「禅華庵」という禅寺に石仏が沢山安置されています。大きなお地蔵さん2体は昔からあったように記憶しているのですが、もっと小さなたくさんの石仏は、以前は近くの音羽川にあったのですが、石仏の盗難が頻発したために、地域の人々が心の広い住職さんにお願いして禅華庵に避難させてもらったそうです。今では多くのお地蔵さんたちが安らかに、修学院の住民をじっと見守っています。
 実は、私は石仏全部を「お地蔵さん」と親しみを覚えて言っていますが、この絵の中央上の左の大きな石仏は、頭が螺髪(小さな巻き毛の集まった形)で、装身具はつけず、衲衣を肩からまとっていて、釈迦如来の形です。
 そのほか禅華庵の石仏は、いろんな形をしていて、道祖神のような形もあります。しかし私にはそんなことはどうでもよく、全部「お地蔵さん」なのです。私が5歳の時、下の妹に私の麻疹がうつって、脳症を発症し、数え年3歳で亡くなりました。この時私のおばあちゃんが、「留美ちゃんはこれから極楽に行かはるとき、鬼が邪魔をしてもお地蔵さんが守ってくれはる」と、いつも言っていて、私もお地蔵さんが留美ちゃんを守ってくれはるようにとお願いしていました。お地蔵さんは雨が降っても、嵐が来ても、雷が鳴っても、じっと守ってくれてはると思っていました。
 実は私はイエス・キリストを信じているのですが、それでもお地蔵さんが大好きなのです。
 この絵をもって今年の6月14日から4日間クロアチア・ドヴロブニクで開催された Le Petit Festival du Theatre ~Magical Creation of the Land of the Rising Sun という小さなフェスティバルで展示してきました。今年は「日出づる国」がテーマです。17人のアーティストに交じって私1人だけずぶの素人です。知人からお誘いを受けて、こんな機会は二度とないと思い、厚かましくも参加させてもらいました。クロアチアはきれいな街だと聞いていましたが、ドブロブニクのことは知りませんでした。ドブロブニクはアドリア海の真珠と言われているそうで、城壁に囲まれた濃いオレンジ色の屋根瓦の密集したきれいな街です。観光客であふれかえっています。以前訪れたベニスの街並みを思い返しました。

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