写真・文 隅山 充樹(舞鶴)
冬の晴れた日の朝、舞鶴市の中央に位置する五老ヶ岳山頂から望む舞鶴湾を覆い尽くす雲海。実はこの現象は雲海ではなく朝靄です。標高200mの五老ヶ岳展望台へは市内から僅か20分ほどで到着します。しかも朝そんなに早い時間ではない7時~8時頃の景色です。1時間足らずで消えてしまいますが、まるで2000m級の山頂にいる気分です。駐車場から山頂が見えているのは建部山です。西舞鶴の子どもたちからはプリン山の愛称で親しまれています。その山頂を朝靄が流れてゆく様子はまるで雲海そのものです。靄が晴れると狭い湾口から奥へ入り組んだリアス式海岸が一望でき、眼下に自衛艦の錨泊する風景は軍港であったことを思い起こさせます。