新潟県の再稼働慎重姿勢を支持
東京電力・柏崎刈羽原発の見学等を目的に、保団連公害視察会が10月21・22日、新潟県柏崎市で開催された。京都協会からは飯田哲夫理事、河本一成会員、事務局が参加。全国から47人が集まった。10月4日には柏崎刈羽6・7号機の審査で、重大事故対策が新規制基準に適合したと、事実上の合格となる審査書案を了承。しかし、新潟県の米山隆一知事は慎重姿勢を崩しておらず、県が今後3~4年かけて独自に実施する「三つの検証」が終わらない限り、再稼働の協議に応じないとしている。
今回の視察では、新潟大学名誉教授の立石雅昭氏による「新潟県技術委員会による福島原発事故の検証」と、本間内科医院院長で柏崎刈羽市民ネットワークの本間保医師による「柏崎刈羽原発の地元の反対運動について」をテーマに学習会を開催。立石氏は地質の専門家の立場から、いかに東電が根拠のない地質評価を行っているかを報告した。また原子力規制委員会についても、安全性に関する審査能力が欠如していると指摘。非科学的根拠の上で原発が立地していることを強調した。本間氏は1960年代後半から始まった原発反対運動の流れを解説。70年代から80年代は大いに盛り上がったものの、運動に携わる人たちの高齢化や、原発の建造などとともに地元に特需の仕事が増えたこと、また営業運転後の原発関連産業に従事する人間が増えたことから、口を閉ざす住民が多くなっていったと説明。それでも福島原発事故後にあらためて「原発を再稼働させない柏崎・刈羽の会」を結成し、今も反対運動を続けているグループと連携しながら運動を行っていると述べた。
翌日は柏崎刈羽原発を視察。内部を見ることはできなかったが、東京電力社員の案内のもと、原発建屋や敷地内における防災設備等を見学した。