下京東部医師会と懇談 10月11日 ホテル日航プリンセス京都 医療体制の今後を憂う声多数  PDF

 協会は、下京東部医師会との懇談会を、10月11日に市内ホテルで開催した。地区から17人、協会から6人が出席。下京東部医師会の小畑寛純副会長の司会で進められた。
 冒頭、木谷輝夫会長は「2025年問題と言われる少子・超高齢社会を迎えて、医療体制がどうなっていくのか心配である。来年の診療報酬・介護報酬同時改定では、地域包括ケアシステムの強化が言われているが、われわれ地区医師会がどう対応をしていくのか、考えていかなければならない。安倍首相は、全世代型の社会保障にすると言っているが、高齢者の医療・介護といった社会保障が手薄になることへの懸念を含め、本日は先生方にご意見を賜わり、ご討議いただきたい」とあいさつ。協会からは、垣田理事長のあいさつの後、各部会からの情報提供に続き、今年度の共通テーマである①医療提供体制・保険制度改革の現状と各地区の医療課題②診療報酬・介護報酬同時改定―について話題提供し、意見交換を行った。
 意見交換では地区より、国保の都道府県化に関して、「京都市国保は、京都府に組み込まれるのか。市町村単位で独自にやっていた医療補助などは、そのまま引き継がれるのか。財源によっては、画一的になってしまうのか」との質問が出された。協会からは「京都府に組み込まれて、両方が保険者となる。これまでは、京都市が1年間の医療給付費を推計して、公費を除いた必要となる収入を確保できるように保険料率を決めてきたが、これからは京都府が示した保険料を、納付金として京都市が料率を決めて集めるというように、財政の流れが変わる。自治体独自の助成制度などが今後どうなっていくか、気になるところだ」と回答した。
 次に、診療報酬・介護報酬同時改定に関し、「具体的な改定の項目はいつ頃分かるのか」との質問に対して協会は、「方針は年末に決定されるが、具体的な個別の点数項目は年明けになる。一つの方向性として、遠隔診療の評価を何らかの形でつけようとしており、ここを新たな市場にしたいという規制改革の流れがある」と指摘した。また地区からは、「一般診療に遠隔医療が入ってくれば、患者さんを診なくても何でもできるような状況がつくられ、なし崩し的にコスト削減につながることになるのではないか。もともと遠隔医療は、離島や無医村を対象とした話であったが、一般の医療の現場に入ってこようとしており危惧する」と懸念の声も聞かれた。
 最後に、小畑副会長が「いっそう医療情勢も混迷をきたし、財源との関係で見通せない時代が到来している。地区会員の協力を得て、情報交換しながら団結をし、この難局を乗り越えたい」とあいさつし、会を終えた。

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