辻 俊明(西陣)
犬猫カフェで癒される時間
最近のペット情報によると、犬よりも猫のほうが人気があるらしい。エサ代や世話の大変さのためそうなるようだが、猫は人に媚びず、自由気ままなので好きだという人は多い。過干渉な人間関係から逃れたいという現代人の願望もあるのだろう。一方犬は、人なつこく忠実で、他には代えがたい魅力がある。いずれにせよ、犬党、猫党どちらの人も楽しめる犬猫カフェがあるので行ってみた。
地下鉄六地蔵駅から少し歩いた。店に入って、まずは猫のいる部屋へ。中に入ると、その場にいる10匹ほどのほとんどは、人が近づいても全く気にすることなく寝そべっていて、触れられても起きようとはしない。おっぱいを吸っている子もいる。ヒザの間に入ってきて眠り込む子もいた。そこには昼下がりの穏やかな空間があった。ネコのネコによるネコのための平和主義社会。時の流れも止まっている。いいお手本を見せてもらった。そこで30分ほど過ごした頃、そろそろ猫に嫌がられてきたので、犬の部屋へ移動することにした。
犬部屋では、まず大型のセントバーナードと、秋田犬が出迎えてくれた。セントバーナードといえばアルプスの少女ハイジ、秋田犬といえば忠犬ハチ公である。そういう目で見ると、ここにいる彼らもそれらしく見えるから不思議である。隣のスペースへ行くと、かわいい系のワンちゃん達が走りまわり、柴犬が寝そべっていた。これだけ多くの種類がいれば、好みのワンちゃんを見つけて仲良くなることも容易であるが、はげしく動き回るのが多いので、ついていくのに若干大変な思いをした。
ひととおりみんなと遊んで2時間がたち、店を出る前にコーヒーを飲みながら、ふと考えた。田舎へ行って、広い土地に住んで、犬猫を放し飼いにして、みんなで仲良く暮らすのもいいんじゃないかなあ。