医療費削減主眼の改革は許さない!社会保障のあるべき姿京都から発信を  PDF

理事長 垣田さち子

明けましておめでとうございます。
清々しい良き新年をお迎えになられたこととお慶び申し上げます。
団塊世代が後期高齢者となり、国民の3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上という、今まで人類が経験したことのない、超・超高齢社会2025年問題が現実化してきました。
昨年発表された2015年国勢調査による日本の総人口は1億2709万4745人、1920(大正9)年に始まったこの調査で、20回目にして初めて総人口が減少しました。
明治維新時には約3330万人であった人口が、国家の富国強兵策などで「産めよ増やせよ」と増え続け、15年戦争で300万人の犠牲者を出したとはいえ、敗戦時には7200万人となりました。そして、戦後のベビーブーム、さらに第2次ベビーブームと増加し続け、10年に1億2806万人を記録しました。この時がピークとなり、15年調査までの5年間で約96万人減。増減率はマイナス0・8%となっています。昨今の初婚年齢が男女とも30歳前後となっている以上、今後の人口増加は絶望的です。
これからの社会保障費の増大を見越して、当面は2025年をめざし、医療・介護・福祉制度の大改革が進められています。
本年度中に策定される京都府地域医療構想では、病床削減の数値目標は国の勧奨数値を踏襲しない構成(案)が発表され、医療費削減を目標としないことが明言されました。関係する部会等で真摯な議論が重ねられていることに敬意を表します。
しかし、来年度から国保の運営主体が、各市町村から京都府に移管され、府は提供体制と保険財政の両方を一元管理する立場になります。財政健全化優先の議論に陥ることなく、京都府民の社会保障を守る地方自治体のあるべき姿を国に示し、真の改革を求めて、頑張っていただきたいです。
また、京都市では医療・福祉の機構改革が進められ、協会が問題視してきた「地域リハビリテーション推進センター」「児童福祉センター」「こころの健康増進センター」の3施設を一つの建物に合築する問題、保健センターと福祉事務所を統合し「保健福祉センター」に改変、新たに「子ども若者はぐくみ局」創設等、組織の大転換が図られようとしています。
少子化に歯止めがかからず、特に京都の出生率は東京に次いで5年連続ワースト2位に低迷しています。
若い世代が子どもを産んで育てていきたいと希望の持てる、安心できる、優しさのあふれる京都の町を作らねばなりません。
本年も、理事者・事務局一同、力を合わせて邁進致しますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
会員の皆様にも、ご健勝で幸多き一年でありますよう祈念致します。

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