魚釣りの楽しさ  PDF

魚釣りの楽しさ

かつや

 私の趣味は魚釣りです。年間30回以上は釣行しているので、熱心な方だと思います。魚釣りをしない人からはあんなもののどこが楽しいのかとよく聞かれます。多くの釣り人と同様に私も、魚が掛かった時のアタリとその後の引きが一番楽しいと思います。これは釣りの方法によって趣が異なります。

 私がよく行く沖釣りについて書きますと、胴突き、サビキや一つテンヤといった仕掛けの場合は魚が食いついたときにブルブルっという感じのアタリがあります。私はいつも海の中を想像しながら釣りをしていますので、頭のなかでは魚が食いつく瞬間が見えています。その後引きがあるのですが、これらは魚種によって特徴があります。鯛の三段引きとか、青物の横走りとか慣れたら姿が見えなくても何が釣れているのかおおよそ見当がつきます。それから金属の疑似餌を小魚に見せかけて泳がす釣りの場合は、竿を動かしている手に突然ガツンとしたアタリがやって来ます。魚が大きな場合は魚との勝負になります。リールから糸が引き出され、魚が疲れると巻き上げ、魚の体力が回復すると再び抵抗するといった繰り返しでスリリングです。

 こうして浮かび上がった魚は時によっては自力で泳げないぐらい疲れ切っています。こちらにとっては遊びですが、魚にとっては命がけの勝負ですので、ある意味残酷な話です。魚は水の中にいるときはまさに「水を得た魚」で力が強く、大きな魚とやりとりした翌日は腕が筋肉痛になります(ただそんなに幸運なチャンスは滅多にありません)。初めて釣りに行った人でも、大きな魚を釣り上げるとたいてい釣りにはまってしまいます。

 魚釣りのもう一つの楽しみは、やはり美味しい魚が食べられることでしょう。釣り場できっちりと締めて血抜きをして持って帰った魚の味は格別です(帰って風呂に入って、ビールを飲んで待っていると料理ができあがってくるという羨ましい話をする友人もいますが、私の場合、料理はセルフサービスです)。

 帰ってからの下処理は当日にします。3枚におろしたり、昆布締めや干物を作ったりもします。刺身の場合は食べ頃というものがあって、多くの場合は1〜2日冷蔵してからの方が美味しいです。こんな文章を書いているうちにも次の休日魚釣りに行きたくなってきます。

 最近、化学物質のみならず放射性物質による海洋汚染までもが社会問題になっていますが、楽しい魚釣りがいつまでも続けられる海洋環境が続くことを望んでいます。

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