診察室の必需品 皮膚科医がすすめるLEDフラッシュルーペの活用法!  PDF

診察室の必需品 皮膚科医がすすめるLEDフラッシュルーペの活用法!

 
今井 慎(右京)
 
 診察器具は正確な診断のためにも精巧にできており、その分、高額なものが多いです。小生、日用品購入目的でよくホームセンターに足を運ぶのですが、その中で個人的見解ではありますが、廉価で用途は異なるものの、高額な医療器具と比べても遜色なく実際の皮膚科診療に使用できるものがありましたので、紹介させていただきます。
 健康番組で、よく足の裏の黒子が皮膚癌だった症例が放送されると、その翌日には必ずと言っていいほど、心配になって診察室に訪れる患者さんがおられます。その際、診断に有用な診察器具がダーモスコピーなのですが、医療器具として販売されているダーモスコピーですと3〜8万円とそれなりの値段がします。
 他科ではあまり使用される器具ではないので、皮膚科を標榜しているクリニック以外で置かれているところはほとんどないと思いますが、一般の診療でも黒子以外で足の裏にトゲが刺さった場合に、異物の確認、除去には有用です。
 そこで、他科のクリニックにお薦めなのがLEDフラッシュルーペというもので、分類としては、拡大鏡ですが、ダーモスコピーとして応用することも可能です。
 本来は暗いところで細かな地図などを見る際に使用するものですが、ネットショッピングで入手できるものでは価格が2〜3千円ぐらいです。原理はダーモスコピーと同じですので、母斑や血管腫、疣贅、鶏眼など主たるできものの類いはほぼ鑑別できます。
 本来のダーモスコピーに比べると、光源が1カ所で立体物だと陰になってしまうことや、レンズ横のカバーが妨げになって趾間には使えないなどの欠点はありますが、それを差し引いてでも十分活用できます。
 勤務医時代、アルバイト先の診察室には、ダーモスコピーが置かれてないところもあり、このルーペをいつも携帯していました。診察室の傍らに安価なルーペも置かれてみるのはいかがでしょうか。
※ダーモスコピーの検査料は、LEDフラッシュルーペでは算定できませんので、ご留意下さい。

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