私の趣味 画題探しの旅行と油絵  PDF

私の趣味 画題探しの旅行と油絵

 
丸野 義和(西陣)
 
 私が油絵を描くようになったのは、医学部4回生のとき、デッサン上手な養母が私に油絵用具一式を買い与えたときからでした。以来、今日まで50有余年の間、全くの我流で特定の画家の指導を受けることなく続けております。そして、できあがった絵は待合室や診療室に飾って、患者さんに観てもらってまいりました。異口同音の患者さんのお世辞に乗せられて、1997年に『診察室の絵』という題名の画集をつくり、患者さんや友人たちに進呈いたしました。 
 その後も絵は増え続け、現在我が家のミニ美術館には額に収められて壁面に掛けられた状態の絵画が、78枚飾られています。大きさは100号、80号がそれぞれ1枚。残りの約半数は60号。残余はそれ以下の大きさです。
 本来、私は風景画を描くのが好きで、見知らぬところ、特に海外で出会った風景に感動した場合に良い絵が描けるように感じています。そのため国内はもちろん、海外旅行にも度々参加してまいりました。したがって私にとっては、私の風景画は私の人生の絵日記的な意味合いもあり、それらを眺める時は、いつもそこに行った時のことをなつかしみ、想い出にふけっています。特に印象に残っているものを以下に列挙してみます。
 ▽秘湯立春(岡山県郷緑温泉)▽高尾初秋(第37回京都市民美術展京都芸術文化協会賞)▽白山室堂(第38回京都市民美術展努力賞)▽木曽川春流(第39回京都市民美術展市長賞)▽北岳肩の小屋(第39回京展入選)▽暖冬グリンデルワルド(スイス・第41回京展入選)▽九寨溝(中国)▽モンゴル草原黎明▽氷河の流れ落ちる氷河湖(カナダ・ロッキー)▽マチュピチュ(ペルー)▽ガンジス河の沐浴風景(インド)▽仏教遺跡とオアシス(中国西域)▽ポルト旧市街(ポルトガル)▽砂利採取船(ベトナム)▽イドラ島(ギリシャ)▽ミント茶葉を道端で売る老人(モロッコ)▽ルクソール神殿(エジプト)▽タイ民族舞踊の踊り子(タイ)▽泰緬鉄道(タイ)▽小川の流れる小さな村(スコットランド)▽南仏の田舎通り(フランス)▽ラクダ乗り(アラブ首長国連邦)等々。
 86歳になった現在、たとえ描くキャンバスの号数と枚数が減少しても、私のこの趣味がまだまだ続くよう祈るばかりです。

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