私の趣味 北岳テント泊山行
鍵本伸二(京都北)
お盆休み、南アルプスの北岳に登ってきました。私が北岳という名前を知ったのは小学6年生の夏休み、父に連れられて富士山に登った時のことです。山頂で近くに居た人が「あれが北岳、日本で2番目に高い山だよ」と教えてくれました。しかし登る機会がないまま長い年月が過ぎ、一緒に登山した頃の父の年齢も超えてしまいました。そんなことを考えながらの感慨深い山行となりました。
悪天候のため入山を1日遅らせ、8月15日早朝に南アルプス市営芦安駐車場に到着。5時15分始発の南アルプス林道バスに乗りかえて、登山口の広河原(標高1520m)へ。テント泊装備にカメラや三脚など、欲張って20kgを超えた荷物に後悔しながら登ると、樹林帯を抜けたところでお花畑の向こうに大樺沢左俣の雪渓と山頂の岩稜が姿を現し、力が湧いてきました。大樺沢二股(標高2220m)から雪渓に沿って左俣を登り、北岳バットレスと呼ばれる大岩壁を横に見ながら、梯子や鎖が連続する難所を抜けると八本歯のコルに到着。やっと今日の目的地である北岳山荘が見えました。その後も切り立った崖を鎖などを頼りにトラバースし、ヘトヘトになりながらテント場に到着。テントを張り終えたら、ビールを飲んでとにかく一休みです。
テント場からは真正面に富士山が見えるのですが、夕方から雲に覆われてしまったので、夕食を食べたらさっさと一眠り。22時頃テントから出ると、雲は消えて満天の星。ダウンを着込んで外でウイスキーを飲みながら、星空を満喫しました。
次に目が覚めると暁闇。やがて雲海から朝日が昇り富士山を照らし始めました。朝食を済ませ夜露で濡れたテントを撤収したら、再び重いザックを担いで山頂までの登りです。前日の疲れは残っていますが、山頂への期待で自然と足が軽くなります。気を引き締めて慎重に岩場を攀じ登り午前7時45分、無事に3193mの山頂に到着。山頂ではすでに大勢の人々が休憩していました。山頂からは登りと反対側の北岳肩の小屋に下り右俣経由で大樺沢二股まで、そこからは登りと同じルートを辿って広河原に下りました。