私の趣味 ネコ物語  PDF

私の趣味 ネコ物語

辻 俊明(西陣)

 街中を散歩してると、時々野良ネコに出くわす。かわいがってあげようと、おいでおいでをしながらゆっくり近づいて行っても、ネコはこちらを見据えながら頭を下げ、身構えて逃げの体勢をとり、あとはそそくさと背を向けて去ってゆくのが常である。もしこちらに近づいてきて、なついてくれるのがあれば、家へ連れて帰って飼ってやってもいいと思うのであるが、いまだそんなのに出会ったことはない。

 一方、テレビに出てくるネコ、たとえば猫侍のタマノジョウや、ネコタクシーのミコガミサンや、うさぎちゃんの友達のルナちゃん、アルテミスなどは、マイナーな話で申し訳ないが、良くできたネコである。それらは、人と生活をともにしてお互い助け合うことのできる良き仲間たちといえる。

 最近ネコカフェなるものが登場し、コーヒーを飲みながらネコと遊べるようになった。西陣地区にもネコカフェができたので、昼休みに行ってみた。そこは町家を改造して、2階部分をネコ専用にしてあり、中に入ると10匹くらいが出迎えてくれた。1〜3歳の子が多く、みんな気ままに好き放題の格好でくつろいでいる。その中で一番人気のウニちゃん(マンチカン)を探したら、寝そべっていたので、あいさつ代わりに猫じゃらしで遊んでやった。反応はいまいちだったが、ウニちゃんはもともとそういう性格なので、これでも充分歓迎してくれているのだ。あるいは今日は少しお疲れなのかもしれない。シロネコの白玉ちゃんと、シャムミックスのラテくんは、頭をくっつけて、籠の中で熟睡していたので、じゃまをしないようにそっと写真に収めることにした。ほかのネコも、端から順番に、頭をなでたり、肉球で握手したりしてスキンシップ。これでみんなと仲良くなれたようだ。次に来たときは、私を覚えてくれているだろうか。

 昼下がりの満たされたひととき。あっという間のコーヒー一杯30分1200円。ネコアレルギーでなくてよかった。

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