右京医師会と懇談
2月3日 右京医師会館
地域医療担ってきた開業医への評価不当
協会は2月3日、右京医師会との懇談会を開催した。地区から9人、協会から6人が参加し、司会は右京医師会の小室元理事が務めた。冒頭、右京医師会の斉藤憲治会長から、「右京医師会館は昨年10月に建て直しが完了した。全体的には少し狭くなったが、会議室は『相手との適度な距離』が保てる広さが確保できた。本日は相互に活発な意見交換を行っていきたい」とあいさつされた。
はじめに、2014年度診療報酬改定で、かかりつけ医機能を強化する目的で新設された地域包括診療料および地域包括診療加算(以下、地域包括診療料等)について、地区から「地域完結型の医療提供体制の中で中心を担うのは開業医である。国は『開業医=かかりつけ医』として位置付けているが、そうではない。これらの点数算定の要件を見ると、非常にハードルが高く、このままでは開業医は疲弊する」と国が構想する医療提供体制が着々と進められていることについて危惧する意見が出された。
これに対して協会から「開業医は一人の医師が複数科にわたって診療を行い、服薬も管理を」とする厚労省の構想を説明した上で、「地域包括診療料等ではこの構想に沿える医師だけが評価されている。これまでも開業医は地域医療の中心となって患者を診ているにもかかわらず、それが十分に評価されていない」との見解を示した。
また、厚労省が国民向けに「総合的に診てもらえる医師」と宣伝していることについて、地区から「内科以外の専門医の役割が説明されていない。専門医は開業を辞めろということか」と怒りにも似た不満の声が上がった。協会は「開業医は勤務医時代に培った専門性を、開業後も活かしながら診療しており、評価されるべきである。病院では総合診療医が機能しているが、開業医でそれが十分に機能するとは思えない」と同調した。
次に医療事故調査制度(事故調)について、地区から事故調と医師賠償責任保険の関係性について尋ねられ、協会から、「事故調は原因究明と再発防止のみを目的としており、解決までを目的としている医師賠償責任保険とは大きく異なる」と説明した。また、地区からの「協会が第三者機関になることはあるのか」との質問については、「協会の医師賠償責任保険と絡めて考えれば、協会が第三者機関となって調査するのが理想的。もし、そういったリクエストがあるならぜひ手上げしたい」と述べた。
その他、後期高齢者医療制度や集団的個別指導など活発な意見交換が行われた。