医界寸評
黄砂の季節である。今年は、加えてPM2・5というものも飛来している。日本列島に押し寄せる予測図が報じられ、外出を控えるようにとの注意喚起まで登場し、喘息もちの人など気になるであろう。その出所の中国では、大気汚染が深刻で、体調を崩した子らが病院に詰めかける様子が報じられている
▼経済成長を続けんがため、過去の日本の公害問題を他山の石とせず、各種技術があるのに大気汚染に目をつむり、高速鉄道の事故や道路橋の崩落などをおこしながらの状況は、何か無理をしているように見える
▼一方、その中国と我が国の関係が大変ギクシャクしている。前都知事の投じた一石からの波紋は、大波となり、一触即発の状態になっている。現憲法で交戦権を放棄し、戦後、戦闘で人を傷付けることなくきた日本が崖っぷちにいる
▼その中、裁判所に憲法違反状態と指摘された現国会は、憲法改正、国防軍を掲げる人たちが多数を占め、9条は棚上げし96条を標的にしている。目が離せない
▼加えて、首相はTPP交渉参加に舵を切ってしまった。どうなるのか? 米国から言質を取ったというものの、既に本年末の最終合意に向けての交渉が終盤に入っているところに後から入って独自の条件など言えるのであろうか? アベノミクスもバブルになりかねず、大変な時期になっている。(門雀庵)